千葉・流通経大柏高卒の2年目、東京DF小川諒也(19)が、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグのビンズオン(ベトナム)戦(1日、東京・味スタ)で先発に抜てきされる可能性が高まった。昨季公式戦の出場はおろか、ベンチ入りさえ1度もなかったが、手薄になった左サイドバックの穴を埋める。ウガンダ代表らアフリカ系選手がそろう相手の右サイドに、持ち味の高い身体能力で対抗。アジアの舞台をプロデビューの場にする。

 初舞台に備え、何度も何度も左クロスを蹴り込んだ。DF小川が待ちわびたプロデビューのチャンスがめぐってきた。非公開練習後、居残りでFW前田に合わせて蹴り、アドバイスを受けながらクロスの軌道の高さとスピードを調整した。「ガンガン前へ上がっていきたい。アシストをどんどんして、得点の起点にならないと。行かなくなったら相手がくる」。この19歳、怖いものはない。

 1年目の昨季は1度もベンチにすら入れなかった。しかしDF駒野が右ふくらはぎを痛め一時離脱。27日のJ1開幕節・大宮戦でベンチ入りすると、中2日で迎えるビンズオンとのACLで抜てきされる可能性が高まった。ウガンダ代表MFオロヤと同国出身のMFキセッカの2人との対戦に「個の力に負けたくない。自分のマークをしっかり見たい」とアフリカンパワーに受けて立つ構えだ。

 高校時代は身体能力が高いことから1トップからセンターバックまでこなしていた。プロ入り当初も「フィジカルで差を感じたことはない」と言っていた男だ。「後ろは安定している。だから自分も前へいける」と、サイドの主導権争いを制してプロデビュー戦を飾る。【栗田成芳】