<リオ五輪スター候補:横浜FW富樫敬真>

 イケメンルーキー横浜FW富樫敬真が、2戦連発でリオ五輪代表へ名乗りを上げた。前半3分、自陣深い位置からロングボールが上がり、守備ラインの裏へ抜け出し、GKとの1対1を決めた。「自分なりに冷静になれた。1対1になったのも分かったのでシュートを打つだけだった」と笑顔を見せた。

 裏への抜けだしを武器にゴールを決めてきた。「監督から裏への意識付けを良い感じにされてきて。ヨーロッパリーグのFWを参考にしている」。前節新潟戦では初先発で初ゴールも、前半に足をつってしまうアクシデント。「(先輩から)お前は筋肉とのコミュニケーションが取れていない」とされ、入念にアップをして反省を生かした。

 横浜ジュニアユースからユースに上がれず、やめることも考えた。だが、当時のコーチの勧めで日大高に進み、サッカーを続けた。その後、関東学院大から横浜に練習参加し、特別指定選手を経てプロ入りを果たした。「僕は恵まれている。しっかり恩返しをしていきたい」。俳優要潤似のイケメンで、試合前は爪を切り、ひげをそる。リオデジャネイロ五輪も視野に捉える。「内定が決まったときから考えているし、J1の舞台だからチャンスは少なからずある」と意気込む。チームには、ブラジル人FWカイケが加入し、ポジション争いは激化した。「FWとして負けたくない」と定位置をものにし、手倉森監督へも猛アピールしていく。【青木沙耶香】

 ◆富樫敬真(とがし・けいまん)1993年(平5)8月10日生まれ。米ニューヨーク州出身。神奈川・駒林SC-横浜ジュニアユース-日大高-関東学院大を経て16年横浜入り。昨年8月5日にJリーグ特別指定選手に承認され、9月19日東京戦でデビュー戦ゴールを飾った。4歳までニューヨークで過ごしたが、大学で英語の必修単位を落としたこともある。母が米国人で、両親が新婚旅行で訪れたケイマン諸島が名前の由来。178センチ、73キロ。