PK戦にもつれた一戦は佐野日大(栃木)が4-3でものにし、8強へ駒を進めた。

 佐野日大の先制点は強烈なミドルシュートだった。前半18分、相手GKのパスミスからペナルティーエリア外左角でこぼれたボールを、DF梅沢崚(3年)が左足一閃(いっせん)。ゴールに戻りきれないGKの頭を越え、ゴール右上へ突き刺さった。

 一条(奈良)も反撃する。22分、MF岩本修平(3年)がペナルティーエリア外左角から右足で痛烈なミドルシュートを放った。わずかに左にそれ、サイドネットに当たった。続く26分にはMF小池竜雅(3年)がペナルティーエリア外正面約25メートルの位置からふたたびミドルシュートでゴールを狙ったが、左へ外れた。迎えた27分、ついに追いつく。左サイドの崩しから、MF加茂裕輝(3年)がゴール右へ流し込んだ。

 その後は一条が押し気味に試合を進めるも、再び佐野日大が突き放す。40分、右サイドを攻め上がったMF小沢亮祐(3年)のクロスにFW大熊啓太(3年)が頭で合わせ、ゴール右に決めた。2-1で前半を折り返した。

 後半に入り、追う一条が攻勢を強める。左サイドを中心に何度もクロスを上げて攻め立てた。積極的にミドルシュートを狙う場面もあったが、枠をとらえられなかった。残り10分を切ってからはロングボールを多用してゴールに迫る。迎えた39分、右CKからゴール前での蹴り合いから最後は加茂が左へ押し込み、土壇場で同点とした。足が止まり始めていた佐野日大を相手にロスタイムも攻撃の手を緩めなかったが、逆転には至らずPK戦にもつれた。

 佐野日大は1人目の梅沢が失敗も、4人連続で成功。GK中村一貴(3年)が2本止め、勝利をものにした。