J2町田ゼルビアの唐井直GM(59)は22日、町田市が8日に発表した2017年度から2021年度の5カ年計画の中で、ホームの町田市陸上競技場の増設に関する事業が初めて盛り込まれたことに期待感を示した。

 唐井GMは、相馬直樹監督らと町田市役所に石阪丈一市長を表敬訪問した後、取材に応じた。その中で、17年度予算の中にスタンドの増築の調査費が盛り込まれたことについて「大きな一歩」と口にした。

 唐井GM まだまだスタートですけども、新5カ年計画の中で(町田市陸上競技場を含む)野津田の森スポーツパークの整備ということで全体像をお示しいただいた。来年度予算ということで、スタンドの増築の調査費ということで明確に、長いスパンではなくて、17年度の動きということでお示しいただいたのは、大きな一歩です。

 町田市は5カ年計画で、バックスタンドの映像装置とともに、バックスタンドの増改築を重点事業として盛り込んだ。町田ゼルビアは

 (1)J1はホームスタジアムは1万5000人以上の収容人数が必要だが、ホームの町田市陸上競技場の収容人数は1万328人

 (2)年間を通じて常時使用できる天然芝、もしくは人工芝のピッチ1面及び屋内トレーニング施設がない

 (3)クラブハウスがない

など、J1クラブライセンス取得に必要な規定を満たしていない。その中で大きな壁と目されていた、J1基準の1万5000人以上の収容人数という基準のクリアが見えてきた。

 町田市の関係者によると、3月13日から開催される市議会常任委員会の中で17年度予算案についての話し合いが行われ、そこで認められれば環境調査費の名目で予算に盛り込まれることになるという。

 唐井GMは1月28日の新体制発表会の席上で、ホームの動員力は4000人であるとの分析結果を示した上で「4000人の皆様がご家族など、もう1人連れてきていただければ8000人になる。アウェーチームに左右されることはない」と、サポーターに集客力アップへの協力を訴えていた。同GMは「町田市のご理解、市長の英断ということです。クラブとして、まずは野津田をいっぱいにすることが私どもの責任だと思います」と、あらためて動員アップを目標に掲げた。

 一連の動きを受け、FC町田ゼルビア後援会も16日付で、支援活動として整備計画に関する署名活動を実施することを発表した。唐井GMは「後援会の方で、署名運動も併せてやることになりました。クラブにとっても、ありがたいことなので、ご協力させていただく」と語った。

 相馬監督も「間違いなくありがたい話。自分たちでどうにか出来るわけではありませんので」と歓迎した。その上でチーム、クラブとして出来ること、必要なことを切々と語った。

 相馬監督 1番、大切なのは、我々が町田の人たちに必要とされる、巻きこんでいく熱を出していくことだと思う。そこを、まずは現場(チーム)が出せるように、もちろん会社としてもクラブとしても示すことが出来るような1年に、今年をすることが『+one 超えろJ2!』というスローガンにもつながると思う。

 町田市が新5カ年計画の中で町田市陸上競技場の増設に関する事業を初めて盛り込み、それに関するFC町田ゼルビア後援会の署名活動も決まった。その流れの中、ホーム・町田市陸上競技場で行われる26日のジェフユナイテッド千葉との開幕戦は、町田ゼルビアにとって、今後のクラブの行方に大きな意味を持つ、重要な1戦となりそうだ。【村上幸将】