鹿島アントラーズは31日、石井正忠監督(50)の解任を発表した。後任には大岩剛コーチ(44)が就任する。強化担当の鈴木満常務取締役は「(30日の)ACLの敗退を受け、今年全体の結果、内容を精査した上で必要だと思った」と説明。朝に2人に伝え、午後のミーティングで選手に報告した。

 石井監督は15年7月に就任し、ナビスコ杯(現ルヴァン杯)で優勝。昨季はJ1と天皇杯を制し、クラブW杯では準優勝した。今季の鹿島はACL初優勝を狙い、FWペドロ・ジュニオール、MFレオ・シルバらを補強。しかし、ACLは16強で敗退し、リーグ戦は7勝5敗の7位で、そのうちホームでは2勝5敗だった。鈴木常務は解任の理由として(1)選手の能力を引き出す術(2)選手の評価や接し方(3)体力強化などの練習方法などを挙げた。

 昨夏にはFW金崎の造反行為などにより一時休養した石井監督の続投に対しては、シーズン終盤のリーグ4連敗などもあり、クラブ内で疑問視する声もあった。だが、Jリーグ・チャンピオンシップ、クラブW杯、天皇杯の成績を踏まえ、再検討して今年1月に続投が決まった経緯がある。

 鹿島としては任期途中の監督解任は3例目。選手、コーチ、監督としてのべ25年携わってきた功労者の石井監督は、クラブ公式SNSで「私の力不足で皆様のご期待に応えることができませんでした」とコメントした。常勝鹿島の厳しさを象徴するような解任だった。【鎌田直秀】