J2東京ヴェルディのミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(59)は、名古屋グランパスの風間八宏監督(55)との“スペインVS日本知将対決”を制した試合後の会見で「名古屋は偉大なチーム。見ていて面白いサッカーをしている。敬意を払いたい」などと名古屋を絶賛した。試合後の主な一問一答は、次の通り。

 総括 とても困難な、非常に難しい試合でした。名古屋は、とてもいいフットボールをしている偉大なチームです。前半は支配されて、僕たちのDFラインは下がり過ぎ、チーム全体も沈み過ぎていました。後半はチームを押し上げて、より前からプレスをかけることを試みました。ボールを奪えることもあったんですが、高い質のプレーでプレスをはがされ、試合を決められそうな、決定的なチャンスを何回も作られました。相手の中盤でやってくるサッカーを壊すために、少しシステムを変えた直後に1点目が入った。システムを変えたから、より快適にプレー出来たと思う。それでも、相手に同点のチャンスを作られたが、最低でも僕たちのDFは改善したと思います。名古屋に最大の敬意を払いたいと思います。とてもいいサッカーをしていて、見ていて面白いサッカーをしているチームです。

 -今日、2ゴールを決めたFWドウグラス・ヴィエイラは、3戦連続で先発を続け、1ゴールを決めていたが今日は控え。代わりにFW高木大輔を先発起用したことを含め、狙いは?

 ロティーナ監督 相手のセンターバックにプレスをかけたかった。ドウグラスも、いつもプレスをかけてくれるが、大輔の方がよりプレスをかけるのに適した選手だと思いました。難しい選択だったんですけれど、今日は大輔を選んだ。ドウグラスは、ジェフユナイテッド千葉戦と同じように途中から出てきて、決定的な仕事をしてくれた。得点以外にも、全てのプレーが良かった。

 -前半途中にFWアラン・ピニェイロと梶川諒太のサイドを入れ替えたところ、MF橋本英郎を入れたところで、試合の流れが変化した。どう試合の流れを変えたかったのか?

 ロティーナ監督 カジとアランは、キャラクターが全く異なる。2人のポジションを変えて、流れを変えようと試みた。後半、ハシを入れて、相手のボールを動かす中心となっていた7番(MF田口泰士)、8番(ワシントン)を抑えようという意図があった。システムを変えたことによって、相手の内側のパスを少し抑えることが出来た。それでも相手は決定的なチャンスを作ったが、それでも少なくなったと思う。

 -監督采配の妙で勝ったのでは?

 ロティーナ監督 おそらく(試合中の交代、システムの変更などの采配で、選手が)より快適にプレーしたので、マシになったのだと思うが、それでも決定機を作られて、シバ(GK柴崎貴広)のセーブに助けられた。僕にとっても、とても難しい困難な試合だった。采配が当たるというのは、とても難しいことだと思う。時には、いいふうに転がることもあれば、悪いふうに転がることもある。監督はチェンジするんですけれど、最終的に采配を当てるのは選手たちだと思います。たとえば今日は、ドウグラスが見事に当ててくれた。選手たちが頑張って、当ててくれたことで勝つことが出来たと思います。

 02-03年にセルタを欧州チャンピオンズリーグに導くなど、スペインリーグで20年指揮を執った智将・ロティーナ監督だが、自らの采配を誇ることなく、選手の頑張りと対戦した名古屋のことを最後までたたえ続けた。【村上幸将】