ジュビロ磐田のMF中村俊が、先制点の起点となって、チームに06年以来の4連勝を呼び込んだ。0-0で迎えた前半40分、CKの2次攻撃から右サイドでボールを保持。対峙(たいじ)したDFに対して縦に突破を仕掛け、ゴールライン直前でターン。2人目のDFが寄った瞬間に敵陣深くから短いパスを送ると、フリーで受けた川辺の右クロスが、オウンゴールを誘った。

 試合前の時点で、今季の磐田は先制した試合で6戦全勝だった。中村俊が2-0でFC東京を下した前節に続いて2試合連続で先制点の起点となると、後半9分にはDF桜内が追加点を決めて快勝した。中村俊は「絶対に(勝ち点3を)落とせないというプレッシャーの中で勝てたことが大きい」。3連勝で迎えた最下位アルビレックス新潟とのアウェー戦で得た勝ち点3に、確かな手応えがにじんだ。

 6月24日、39歳の誕生日を迎えた。大ベテランと呼ばれる年にも「年齢でサッカーはやっていない。1シーズン、1シーズン先を見てやっている」と、キッパリ。4連勝で締めくくった前半戦を振り返って「勝ち点とかよりも、チーム全体のレベルが上がっていることが大事。もっと細かい部分もすり合わせていきたいね」と笑みを浮かべた。

 新天地磐田で純粋にサッカーを楽しみ、追求する背番号「10」。その輝きは、まだまだ色あせない。【前田和哉】