ガンバ大阪が交代出場組の奮闘で後半ロスタイムに勝ち越し、3-2とベガルタ仙台を退けた。後半32分から出場したFW呉屋大翔(23)がFKを獲得し、同じく途中出場のMF藤本淳吾(33)が絶妙なFKでDFファビオ(28)の決勝点をアシスト。2点のリードを追いつかれる苦しい展開も、土壇場で見せた底力。オランダへ移籍したMF堂安の穴をベンチも含めた全員で埋め、暫定2位に浮上した。

 緊迫した展開で藤本の正確な左足が光った。同点の後半46分。敵陣中央でゴールを狙ったFKは、きれいな弧を描いた。DFファビオがバックヘッドで合わせて勝ち越し。「誰も触らなくても入るコースだった。チャンスだったので集中してセットした」と藤本が振り返る。土壇場の底力で、G大阪が勝利をつかんだ。

 劣勢を途中出場の選手が救った。2点リードを追いつかれ、なお押し込まれる苦境。体を張ったのは今季2試合目出場の呉屋だった。ロングパスを受け、ターンしたところで倒された。決勝点につながるFKを得た。その気迫を無駄にはできない。中村俊輔がセルティック時代に優勝を決めた直接FKをイメージして蹴ったという藤本は「試合前にその映像を見ていた。サブのやつが結果を残して、チーム力を上げていかないと」とうなずいた。

 フローニンゲンに期限付き移籍した堂安が抜けて最初の試合。代わって先発したFWアデミウソンが2点に絡んだ。長谷川監督も「途中出場の選手が頑張ってくれた。(堂安)律がいなくなってアデ(ミウソン)や呉屋が『俺たちが』という気持ちでやってくれた」と笑顔。堂安をかわいがっていた藤本は「律も(オランダで自分の)25番をつけてくれてうれしかった。LINEの連絡で『やっぱこれ(25番)でしょ』と書いていた」とニッコリした。

 アウェーで価値ある勝ち点3を得て、暫定2位に浮上した。5日には中3日で昨季王者の鹿島アントラーズをホームに迎える。指揮官は「しっかり状態を整えたい」と大切な一戦を見据える。しぶとくつかんだ1勝は、必ず次戦につながる。【小杉舞】