アルビレックス新潟はホームで川崎フロンターレに0-2で敗れ、リーグ戦は5月20日の第12節札幌戦に勝って以来、9試合連続で勝ち星から見放された。前半39分にFW小林悠(29)に今季10ゴール目のメモリアルゴールを決められ、後半17分にはMF中村憲剛(36)に追加点を許した。新潟は最後まで相手陣に攻め込んだが、ゴールは割れず、ホームでは最近10戦で9敗目を喫した。

 ゴールは遠かった。新潟は相手にボールを保持される時間帯が長かったが、高い位置からボールを奪い、左右のクロスで揺さぶり、攻撃を仕掛けた。しかし、ネットを揺らす場面は訪れなかった。前半12分にはDF川口尚紀(23)の右クロスをファーサイドのMF矢野貴章(33)がボレーで合わせたものの、ミートしなかった。

 均衡したゲームを破られたのは、前半39分だった。ゴールライン付近まで侵入してきたDF車屋紳太郎(25)のクロスをFW小林に合わされた。呂比須ワグナー監督(48)は「(川崎Fは)一番、危ないチーム。1人、2人だけじゃなく、5人目、6人目と動きながらつないでくる」と警戒していたが、手痛い失点で先手を奪われた。

 新潟は2日間、練習を非公開にし、セットプレーと守備時のポジショニングの確認を行った。呂比須監督は「ホームだし、勝ちたい」と話していたが、思いは通じなかった。後半17分にはMF中村に追加点を挙げられた。新潟も後半20分にMF磯村亮太(26)が、同24分にはDF川口がシュートを放ったが、GKチョン・ソンリョン(32)に阻まれた。呂比須監督が「相手が強くても勝ちたい」と話すガムシャラな姿勢を、選手は最後まで貫いたが、ゴールも勝利も遠かった。【涌井幹雄】