移籍して1カ月がたつベガルタ仙台MF野津田岳人(23)が、10日サガン鳥栖戦でのユアスタデビューへ意欲を見せた。ルヴァン杯準々決勝は、清水で1次リーグに出場したため規定により欠場。出場機会に飢えている。過去、チームの鳥栖とのホーム戦績は、14年0-3、15年5-0、16年0-2と、ともに一方的となる展開が3季続いており、先制点を奪うことが、勝利に直結しそうだ。野津田の代名詞ともいえるミドルシュートが、勝敗の鍵を握っている。

 チームが今季これまで最も輝いた瞬間に、立ち会えなかった。野津田は「自分としては試合に対する飢えはある」。金星で勝ち上がった、ルヴァン杯準々決勝鹿島戦2試合を欠場。だが8月30日のホームでの第1戦を見て、ユアスタへのイメージはより鮮明になった。「サポーターは温かい応援で、一緒に戦ってくれていると感じた。やりやすそうに選手もやっていた」。

 奮起材料ばかりだ。第1戦翌日のW杯アジア最終予選の日本対オーストラリア戦。広島で同期だった、日本代表FW浅野拓磨(22=シュツットガルト)が先制点を決め、W杯進出に貢献した。浅野の話題になると、すぐに「おめでとう」と連絡を入れ、「すごく刺激をもらいました」。淡々と語ったが、同年代ライバルの躍進は、自身の発奮材料になったのは間違いない。

 移籍後初出場した8月19日新潟戦では、途中出場直後に強烈なシュートを放った。ゴールこそならなかったが、この強烈な一撃が流れを変えて、逆転勝利に貢献した。一方で初先発した同月26日の札幌戦はシュート0本に終わり、クラブも0-1と敗れた。残り10戦。鳥栖戦は、上位進出へ負けられない一戦になる。昨季までの3年間のホーム対戦成績は●○●と来ており、順番なら今年は○だが「それは過去の話ですけど、ジンクスがあるなら勝ちたい。大量点を取って勝つことにこしたことはない」と強調した。

 そのためにも「ゴールという結果を意識したい。(足を)振っていかないと、ゴールは生まれない」と積極性を出す。得意のミドルシュートが、大勝を呼び込む。【秋吉裕介】