鬼門アウェーの壁に、またもはね返された。北海道コンサドーレ札幌は敵地の神戸ユニバー記念競技場で11位ヴィッセル神戸と対戦し、0-2で完敗した。立ち上がりの4分に先制点を許すなど前半だけで2点を失い、16年ぶりの3連勝を逃した。これで、開幕から敵地13試合連続未勝利となり、最下位に沈んだ前回J1時の12年に並んだ。次節はJ1残留を争うアルビレックス新潟とホームで激突する。

 台風18号接近により、めまぐるしく方向を変える強風と雨。前半4分、ワールドクラスの技に、いきなり度肝を抜かれた。神戸の元ドイツ代表FWポドルスキにドリブル突破され、利き足とは逆の右足でミドルシュートを打たれた。マークに行った札幌MF兵藤は「左利きでワールドクラスのシュート力を持っている選手。左だけは絶対に消しておこうと思っていたが、(右足に)持ちかえられて、防げなかった。止めなくちゃ、いけなかった」。GKクがはじいたものの、こぼれ球を神戸MF田中に決められて、先制点を許してしまった。

 試合開始15分以内の失点は通算7失点に。札幌にとっては“魔の時間帯”となっている。立ち上がりに集中力を切らさないというのがチームの共通意識となってはいるが、なかなか克服できない。四方田監督は「今日は悪くはなかった」と言うだけに、明快な解決策があるわけではない。「今シーズンを乗り切る上で、自分たちにとっての大きな課題」と、指揮官は悩ましげだ。

 これで、開幕から敵地では13試合連続未勝利となり、アウェーの呪縛は解けないままだ。「次は非常に重要な試合なので、切り替えて準備したい」と四方田監督。次節23日は最下位新潟、その後は30日に勝ち点3差で15位と迫ってきたサンフレッチェ広島と、立て続けにJ1残留を争うチームとの直接対決が待っている。長かったシーズンは、残り8試合となった。【中島宙恵】

 ◆札幌のJ1アウェー戦 連続未勝利ワーストは今季と12年の13試合連続で、12年は第2節神戸戦から第27節川崎F戦まで13連敗。第28節で浦和に2-1勝利も、第30節東京戦から最終節新潟戦まで3連敗し、アウェー1勝16敗。12年はホームも3勝2分け12敗で、シーズン4勝2分け28敗だった。