首位湘南ベルマーレが、水戸ホーリーホックに快勝した。3位のV・ファーレン長崎がアウェーでFC町田ゼルビアと1-1で引き分けたため、次節15日の名古屋グランパス戦で湘南が勝ち、長崎がレノファ山口FCに負けた場合、湘南の1年でのJ1復帰が決まる。

 曹貴裁監督(48)は会見で「残り6試合で長崎との勝ち点差は13に開いた。どう見る?」と聞かれると「周りは何ポイント、何試合と言うけれど、選手が伸びるのに6試合しかないという危機感がある」と口にした。続けて、言葉の真意を語った。

 曹監督 その結果、どうなるか分からないけど、ポイント(勝ち点)の差は1あれば、もしくは得失点差で上回れば順位は上がる。どんな状況になっても…5連敗するかも知れないし、全部負けるかも知れない。全部勝つかもしれないし、引き分けるかも知れないけれど、そうじゃないんだというか、勝つことを第一前提に置いても、負けることがあるということは、もっと伸びるチャンスがあると受け取れるし、そういうことを大事にして欲しい。だから目の前の試合に全力を出す。

 この日、スコアレスで迎えた後半開始から投入したFW野田隆之介(29)が同10分、25分に投入したMF高橋諒(24)が同28分と相次いでゴールを決め、采配は的中した。曹監督は「交代選手が2人、点を取るのは本当に珍しい。ポジティブに前向きに問題を解決していくことを指揮を執る中で大事にしてきた。『曹さん、分かったよ』と言われても、選手に言ってきているつもり」と、出場できないこと含め、向き合っている選手へのアプローチ法を語った。

 名古屋戦に向けての思いを聞かれると「監督として指揮を執って6年目…今年は学ばせてもらっている。全て、選手が勝ちたいという気持ちが何よりも上回っていないと。幾らポゼッションしようが、ロングボールを蹴ろうが、前から取ろうが絵に描いた餅…偽者の試合しかできないと思っている。次の試合に勝って相手がどうなったらどうというのは周りの人に任せて、僕たちは最後のホイッスルが鳴るまで、しっかり走りたい」と言い切った。

 そして「今日、見せたパフォーマンスをアウェーの名古屋の地で見せて、本当に日本の2部の試合は面白い試合だったなと、世界の人に言われる試合をしたい」と固く誓った。【村上幸将】