3月25日のジェフユナイテッド千葉戦で右ひざ前十字靱帯(じんたい)を損傷し、全治8カ月の重傷を負ったJ2湘南ベルマーレFW高山薫(29)が25日、神奈川・BMWスタジアムで行われた全体練習に初めて合流し、フルメニューをこなした。

 高山は愛媛FC戦が行われた21日に、試合に出ないメンバーの練習に合流し、この日は初めてフルメンバーでの練習に参加。ミニゲームでは、切れのあるドリブルと推進力の高さを発揮し、相手に密着されても抜け出す、長期離脱前の姿を随所に披露した。

 練習後、高山は「足は全然、大丈夫です。まだ動けない部分はありますけれど、予想以上に出来たという部分も…いろいろある感じ」と感想を語った。曹貴裁監督(48)は高山の状態について「今日もフルでやらせましたし、もう大丈夫という状態」と説明した。

 復帰できた喜びが、言葉の端々からにじむ一方、現実も冷静に見詰めている。「(ケガで)サッカーをやっていなかった。今、チームは1位で、その中、みんなは半年以上、サッカーをやっていたんだから、そこに食い込むのは、すごい大変なこと。中に入る覚悟、切り替えられていない部分があった。今日は切り替えられた」と自らに言い聞かせるように口にした。

 その上で「リハビリをしている時、みんなすごい練習しているんだなと思ったし、自分もやれば良くなるし、やらないといけない。みんなには、ありがとうという感じ。この時期に帰って来られたのはうれしいし、しっかりした自分を見せたい。それも、ある意味、1つ試練。覚悟を保ってやりたい」と語った。

 29日のファジアーノ岡山戦に引き分け以上で1年でのJ1復帰が決まる正念場に、頼れる主将が帰ってきた。【村上幸将】