浦和レッズの堀孝史監督(50)は、優勝後の記者会見の冒頭で「ベースを築いてくれた、ミシャ前監督に感謝したい」と7月に解任されたミハイロ・ペトロビッチ前監督に感謝した。その上で「(決勝第1戦から)短い時間の中、準備したことを出せたことが勝利につながった」と勝因を語った。

 決勝ゴールを決めたMFラファエル・シルバ(25)は、第1戦で右足首を痛め、故障を押しての出場となった。質疑応答では「シルバは動きが重かった。どこまで引っ張れると考え最後まで残したのか?」と起用に関する質問が出た。堀監督は「やはり、彼は個人で行ける強い力を持っている。トレーニングは全体とやっており、(起用の)時間はメディカルスタッフと相談し、試合の中の動きを確認しながら今日の使い方になった」と答えた。

 第1戦と戦い方が違ったことを聞かれると「第1戦はアウェーで、ある程度守備を意識した。(第2戦は)ホームで戦える。積極的にボールを奪い、保持したいということで今日の戦いを選択した」と語った。

 優勝に至るまで、最も難しかったことを聞かれると「試合を重ねるたびに、各試合で改善点が見えてきた。1つを改善すると違うものが出てきて…そこが難しい」と振り返った。

 J1リーグ戦では、勝ち点49で7位と苦闘が続く中での、ACL制覇となった。堀監督は「リーグ戦で結果が出ない中、ACLばかり力を入れていたわけではないが、選手の思い、モチベーションが強かった」と語った。

 優勝した瞬間の気持ちについて聞かれると「うれしかった。選手たちが、よくやってくれたな、という気持ちでした」と答え、控えめに笑った。優勝を決めた直後ながら、過度な興奮も歓喜もなく、最後まで柔らかな口ぶりで冷静に大会を振り返った。【村上幸将】