川崎フロンターレMF中村憲剛(37)は、初優勝を決めたピッチ上で、涙が止まらなかった。「いやぁ…もう最高です。この光景を、待っていたんです。終わった瞬間、みんなが飛び出してきて、その意味が分かった。涙が止まらなかったです」と声を絞り出した。

 03年に中大から加入し、今季でプロ生活14年。翌04年にJ2は優勝したもののJ1は06、08、09年に、いずれも2位。ルヴァン杯も、前身のナビスコ杯含め00、07、09そして今季と4度準優勝。16年の天皇杯準優勝含め、2位に泣き続けた。「長かったです。長過ぎて長過ぎて…このままタイトルを取れずに辞めると思った。サポーターが背中を押してくれて…みんなで取った優勝」。中村の口からは感激の言葉が止まらなかった。

 今季を振り返り「鬼さん(鬼木達監督)を先頭にキャンプからタイトルを取るとやってきた。アジア・チャンピオンズリーグで負け、ルヴァン杯で負け…苦しい時も下を向かず最後まで走った結果、タイトルを取れたと思う。みんなが優勝という思いで強くしてくれた」とサポーターに感謝した。

 この日、ホームの等々力競技場は、2万5904人の大観衆で埋め尽くされた。中村はスタンドを見渡し「僕が入った時、3000人か4000人しか入らなかったスタジアム…夢にも思わなかった。優勝を分かち合えると思わなかった」と歓喜をかみしめた。【村上幸将】