横浜F・マリノスDF中沢佑二(39)は、柏レイソルを延長戦の末、振り切っての逆転での決勝進出に「マリノスの今年、やってきたことが、そのまま今日の試合に出たかなと思った」とかみしめるように語った。

 前半11分に、柏MFハモン・ロペスのロングシュートで先制を許した。それでも「先制されて苦しくなりましたけど、良い意味でしょうがねぇやと開き直ることで、あの1失点を引きずることがなかったのかなと思う」と振り返った。

 そして後半24分にFW伊藤翔のゴールで追いつくと、延長後半13分のFWウーゴ・ヴィエイラの決勝弾で競り勝った。中沢は「(守備陣が)とにかく耐え忍んで構えていけば、ウーゴは90分のうちの1分で仕事をする男なので、信じてやるしかない。最後の最後で良いシュートを打てるのを信じて、後ろのメンバーは耐えなければいけないし、それが今年のマリノス」と、今季の集大成としての戦いが出来たことで、優勝した2013年度以来、4年ぶりに決勝に進出できたことを強調した。

 18年元日の決勝で対戦するセレッソ大阪には今季、リーグ戦はアウェーで0-2、ホームで1-4、ルヴァン杯もアウェーで0-2と3戦全敗だ。それでも「リーグ戦のことは、しょうがない。負けは負け。決勝は、いろいろなことが起こる。天皇杯も勝てないということはない」と意に介さなかった。柏にも今季、リーグ戦はアウェーで0-2、ホームでも1-1と勝てていなかったが、この日、破って決勝進出を果たした。中沢は「決勝は一発勝負。レイソルにも勝っていなかった。今日も、最後の最後で決められた。苦手意識を持たずに、自分たちがこの1年、やっていたことを信じて出すだけ。とにかく今までやってきたことを引き続き、やっていくことでマリノスらしいサッカーをやれば可能性はあるかな」と口にした。

 天皇杯で優勝すれば04、05、14年と3度、出場したアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)本戦への出場権を獲得できるが、中沢はタイトル獲得の方が優先事項であることを強調。「タイトルを1こ、取らないとね。今年は、今のところ、取れていない。タイトルを取って、ACLがくっついてくる…そこを、しっかりと考えて。ACLを考えてもしょうがない。優勝するだけ」と、タイトル獲得へ全精力を注ぐ構えだ。【村上幸将】