“ミシャ・ショック”から一夜明け、一気に存在感を増した。北海道コンサドーレ札幌は17日、沖縄・金武町で午前、午後の2部練習を行った。新加入のMF駒井善成(25)は浦和時代、ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)のもとでプレー。指揮官の求めるサッカーを知る男は、本格始動した前日16日から、チームメートから立て続けに質問を浴びている。ミシャ流サッカー浸透とともに、自身も打ち解けていく。

 チームを覆う“ミシャ・ショック”に、1人だけ余裕を漂わせる男がいた。新加入の駒井だ。キャンプが本格化した前日16日。ペトロビッチ監督は攻撃を活性化する、複雑なパス練習を選手に課した。難なくこなした駒井は練習後、理解に追われながら、みっちり汗を流して疲労困憊(こんぱい)のチームメートから質問攻めにあった。「いろいろ聞かれました。『浦和ではどうだった?』とか、動き方とか」という。

 浦和時代に取り組んでいたメニュー、練習量だけに、理解と体現は早い。「監督がしたいサッカーを分かっているつもり。みんなに伝えて、早くチームにもなじみたい」と、ミシャ流の“伝道師”となる覚悟だ。この日午後の攻撃練習で同組のFW内村は、ボールを保持していない時の動き出しなどに戸惑った。「駒井にめちゃくちゃ聞いた。わかりやすく教えてくれるのでありがたい」と、感謝された。

 指揮官の信頼は厚い。練習中、駒井のプレーに「ブラボー」と拍手を送った。「もちろん(過去に)プレーしていたので、求めているものを理解している」と納得顔だった。駒井は「アドバンテージだと思う」と受け止めている。期限付き移籍で新天地へ。「札幌もJ1に定着していかないといけない」と、チームを「残留」から「定着」へと導く、使命感を背負う。「状態を上げていき、開幕の時にMAXにする」。新顔は存在感を放っている。【保坂果那】