横浜F・マリノスFWウーゴ・ヴィエイラ(29)がサガン鳥栖戦で、クラブのJ1通算1300点目のメモリアルとなる、今季初ゴールを決めた。

 2点を追う後半42分、DF松原健が中央から上げた浮き球パスに反応すると、DFの裏から飛び出してボールを受け、右足で決めた。「クロスが来るかなと思った。そこでDFの間に入って、ポジショニングを取ったところにボールが来たので、速いトラップから、すぐにシュートにいけた。残念ながら勝ち点3に結び付かなかったが」と振り返る顔に笑みはなかった。

 この日はフル出場し、前線を走り回ったもののシュートは前、後半それぞれ1本ずつ、計2本に終わった。「僕も含めて前半、チームの入りが良くない。なかなかボールが来ない時間が長く、難しい試合だった。FWにボールが入ってこないし、クロスも少ない。点は決めたが満足しないし、点を決めても勝ち点3を取れなかったら喜べない」と渋い顔を浮かべた。

 初ゴールで安心するかと聞かれると「安心はない。自分のポテンシャルを知っているし、みんなも17年の1年で僕のポテンシャルは知っているだろう。今後、もっと決める自信はあるし、初ゴールを決めたから楽になったというのはない。早かれ遅かれ決めるとは思っていた」と答えた。

 1300ゴールについて聞かれると「先週、言われました。ここ(横浜)の歴史に残ったのはうれしいんですけど、1300ゴール目より、1300勝目の方がうれしいかな」と苦笑いした。

 三ツ沢でホーム開幕戦を戦うのは、97年4月16日のガンバ大阪戦(0-4敗戦)以来、21年ぶりで、95年3月22日にヴェルディ川崎(現東京V)に6-2で大勝した試合以来、三ツ沢でのホーム戦は勝っていない。ヴィエイラは「決めないことが心配なのではなくて、決めて勝ち点がこないというのが心配。その(勝つ)ために、僕はここに来ている」と、勝てなかったことでの喪失感の大きさを強調した。【村上幸将】