東京ヴェルディのミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(60)はモンテディオ山形後の会見で、西山貴生主審の判定をめぐって、両軍が相次いで抗議するなど混乱した件について聞かれ、「恐らく、2つとも判断は正しかったと思います」と2度繰り返し、同主審の判断を尊重した。

 まず前半29分、MF奈良輪雄太の左クロスを、中央のFWドウグラス・ヴィエイラが落としたボールを、MF林昇吾(20)がゴールにたたき込んだが、判定はオフサイド。東京Vの選手が西山主審ら審判団を囲んで抗議し、ロティーナ監督自らライン際まで行って、西山主審に抗議を繰り返した。

 さらに前半36分、今度はGK上福元直人(28)が、クロスボールに飛び込んできた山形FW阪野豊史(27)と激しくぶつかり、ボールはゴールラインを割った。東京Vの選手はファウルではないかと主張。その後、同39分に東京Vのゴールキックで再開されようとしたところ、今度は山形の選手、スタッフが猛抗議し、前半から試合は荒れた。

 ロティーナ監督は「恐らく、2つとも(主審の)判断は正しかったと思います。ただ、その取り消す方法が、両ベンチにとって不明瞭な部分があった」と語った。その上で「ただ、判断は恐らく、当たっていたと思う」と再度、強調した。

 試合については「自分たちにとって快適な試合じゃない。スペースが少なく、チャンスを作るのに苦労しました。あまり語ることの少ない試合…両チームの守備が攻撃を上回った試合です」と渋い顔。開幕から6戦無敗こそキープしたものの、守る時は5バックの山形の壁を崩せず、3戦連続引き分けに終わり、ホーム2連戦での勝ち点は2にとどまった。

 今後に向けた改善点について聞かれると「今日の相手は、5枚のDFで守備ラインも高い位置を設定し、ゲームを組み立てるスペースがなかった。もちろん、そういう相手に対しては、スペースを作ってゾーン3に入っていくトレーニングは必要だろう」と語った。【村上幸将】