サンフレッチェ広島の城福浩監督(57)は、17年のJ1王者川崎フロンターレに競り勝った試合後の会見で、取材陣から川崎F攻撃陣を抑えた好守備について繰り返し、質問を受けた。

 その中で、「川崎Fの右サイドの家長をケアした」と明かす一方、FW工藤壮人の前線からの守備を評価。「工藤が(イメージとして)描く守備のスイッチを入れてくれた。(FWなので)ペナルティーエリアの中で仕事させたかったが、守備のスイッチを入れてくれたので崩されることがなかった」と語った。

 一方、高いボール奪取の能力とパスの正確さで、川崎Fの攻守で大きな役割を果たすMFエドゥアルド・ネットに対し、試合を通して各選手が激しくプレスをかけたのも顕著だった。その点について、記者から質問が飛ぶと、城福監督は一瞬、目を丸くして「えぇと…後半戦も、あるので、あまり、ちょっと…」と言い、苦笑した。その上で「彼が起点の大きな1人になっているのは確かで、彼がある意味、フロンターレのストロングということは、逆の見方をすればウイーク、狙いどころになるという意識は持っていました」と答えた。そして、質問した記者に「こんなんで、いいですか…すみません」と言い、苦笑しつつ会見場を後にした。

 川崎F対策の根幹に関わる部分を突く質問を受け、答えに窮しながらも、ギリギリいっぱいまで記者の質問に答えようとする、城福監督の誠意あふれる姿に、取材陣からも笑みが漏れた。【村上幸将】