逆転負け。2連敗。3試合勝ちなし。鹿島アントラーズには、重苦しい雰囲気しかなかった。

 前半29分にFW金崎夢生が、ペナルティーエリアの線上から狙い澄ましたようにゴール右へ、右のインサイドキックで流し込んだ。J1通算50得点目の節目のゴールで先制。ここまでは良かった。

 だが、10分後に左サイドをFC東京DF室屋成にえぐられ、上げられた右クロスをDF植田直通のオウンゴールで追いつかれると、後半10分には再び室屋に突破されて勝ち越された。

 「1つのキーになった」と大岩剛監督が唇をかみしめたのは、開始6分の左サイドバック(SB)山本脩斗のけがによる負傷交代だった。急きょDF西大伍を左サイドに置かざるを得ず、ゲームプランが狂った。2点目を失った後、MF永木亮太を左SBに置いて室屋の勢いをケアしたが、追いつくことはできなかった。エースがゴールを決めた試合の不敗神話は「33」で途切れた。

 「球際の部分や、走り勝つという当たり前の部分ができていない。目の前の相手にやらせないという強い気持ちが足りなかった」とMF三竿健斗。MF土居聖真は「やっと前半の入り方が良くなって修正できたと思ったら、次はまた違う改善点が表れてきた。選手たちが変えよう、変わろうと思わないと、このままズルズル勝ち点を失っていく」と危機感を感じていた。