ベガルタ仙台のDF板倉滉(21)が驚異の回復力で、今日21日のホーム・ジュビロ磐田戦で復帰即スタメン出場することが濃厚となった。20日、泉サッカー場で行われたチーム練習に完全合流した板倉は、ミニゲームでは主力組の3バックの右に入り、負傷離脱したDF平岡康裕(31)の穴を埋めた。3月14日のルヴァン杯横浜戦で右足首の靱帯(じんたい)を損傷し全治7週間と診断され、ここまで別メニュー調整を続けてきたが、予定より2週間も早いスピード復帰。セットプレーの練習では2発を決め、好調をアピールした。

 まさかの光景に、練習場のサポーター席からは、どよめきの声が起きた。この日、チームに完全合流を果たしたばかりの板倉が、復帰即の1発回答で、健在をアピールした。セットプレーの練習でMF野津田岳人(23)のクロスに反応。打点の高いヘディングでボールをゴールネット上段に突き刺す。1度だけならまだしも2度も決めて、集まった約50人のサポーターを驚かせた。

 板倉 岳君(野津田)がいいボールを上げてくれたのでうまく決めることができた。練習でもセットプレーのヘディングから2点も決めたことはなかなかないこと。本番へ向けていいイメージができました。

 予定より2週間も早い、サプライズ復帰だ。

 板倉 全治7週間と聞いたとき長すぎると感じた。自分の意見も伝えながらトレーナーと話し合って調整してきました。早くサッカーをやりたいという気持ちが、早期復帰につながったと思う。連戦だし、元気な僕が全試合に絡んでチームを引っ張っていければ。

 中2日となる15連戦の長丁場でけが人が続出し、苦しい台所事情の中、今季ベガルタ希望の星が復帰。仙台渡辺晋監督(44)は「やれるなら、やらせてみましょう、板倉君(笑)。本人が1日でも早く治して早く出たいという気持ちに、メディカルスタッフが寄り添ってくれたおかげ。ぶっつけ本番ですが、彼の意気込みとフレッシュなパワーに期待しています」と起用に踏み切った。

 J1で空中戦最高勝率を誇る平岡がチームを離脱。今季初めて入る3バックの右で緊急出動する。

 板倉 やることは変わらないし右利きなのでやりにくさは感じない。1対1で負けないように意識して、気持ちを上げ過ぎないように戦いたい。みんなで勝って、喜びを分かち合えるように頑張ります。

 次は、ユアスタに歓喜の渦を巻き起こす。【下田雄一】