前節(25日)C大阪に敗れ7位に後退したベガルタ仙台は27日、仙台市内で今日28日のホーム北海道コンサドーレ札幌戦へ向け、ミニゲームを主体に最終調整を行った。チームは今季初の連敗中で、再浮上のきっかけをつかみたい。そのキーマンとなるのは、川崎Fから移籍2年目のMF中野嘉大(25)だ。練習では今季初めて右ウイングバック(WB)に入ってプレー。積極的にエリア内に侵入して2本のシュートを放つなど、どん欲にゴールを狙った。

 自然に、前を向いた。前節C大阪戦の後半、途中出場したMF中野は、左サイドからドリブル突破を仕掛け、ゴール前まで3人抜きをやってのけた。惜しくもゴールはならなかったが、これまで封印してきたストロングポイントを存分に見せつけた。

 中野 自分から仕掛ける意識を持てば攻撃が広がる。これまで以上に前への意識を持って、個で打開したい。得点に絡めていないので、1対1のところで縦への突破を意識したい。

 今日の札幌戦の後半には、ベガルタゴールドに染まるバックスタンドを背負ってのプレーとなる。真上から受けるサポーターの大声援に後押しされ、右サイドを切り裂くつもりだ。

 チームは前節今季初の連敗を喫し、7位に転落した。J1で空中戦最高勝率を誇るDF平岡康裕(31)が離脱したことで、2戦計5失点と破綻した。攻めても枠内シュートがリーグワーストの28本。得点数9は、最下位の名古屋と同数である。対する札幌は7戦連続無敗記録を更新し、リーグ4位に位置する。今季から名将ペトロビッチ監督(60)が指揮を執り、明らかに強くなった。それだけに、局面を個で打開できる中野のドリブル突破に期待がかかる。

 過去、ホームにおけるJ1リーグでの札幌戦は3戦全勝と圧倒している。渡辺晋監督(44)は「ここまで2つ負けているので札幌戦は大事な試合。前回ホームで磐田に敗れてしまったが、あのようなゲームは2度としない。ヨシ(中野)は相手に向かって切り裂くようなドリブルができる。1対1の勝負も含めて勇気を持って強気で戦ってくれれば」と、背中を押した。【下田雄一】