浦和レッズのオズワルド・オリベイラ監督(67)は、J1首位のサンフレッチェ広島を敗退に追い込んでの首位突破に「我々が進化に向かって進んでいることが見られたと思います」と手応えを口にした。

 オリベイラ監督は会見の冒頭で「どっちのチームにもチャンスがあった、より激しいゲームになったと思います。サンフレッチェにはいい選手がいて、それがまとまってプレーするいいチーム。反応も良く、ボールを持った時のオプションも多いので試合を支配するのは難しい。だからこそ価値のある勝利」と笑みを浮かべた。

 進化した具体的なポイントについて聞かれると、まず「本日の試合は、ミックスチームと言えるチームで戦った。Jリーグでプレーした選手とカップ戦でプレーした選手をミックスした試合。出来るだけ消耗した選手を休ませようと考える中で、前回の試合から中2日、次の試合まで中2日(の連戦)の中で、選手たちの状態を心配し、考えて編成した」と説明した。

 この日は、スコアレスドローに終わった13日のサガン鳥栖とのJ1リーグ戦から中2日で、同戦に先発したGK西川周作、DF槙野智章、橋岡大樹、MF長沢和輝、そしてDFの遠藤航をMFとして先発で起用。一方、2-0で勝った9日のルヴァン杯名古屋グランパス戦からは、ゴールを決めたFW李忠成とMFマルティノスをはじめ、MF武富孝介、阿部勇樹、DF岩波拓也、菊池大介を先発させた。

 その上で「本日の試合は満足。休ませる必要のある選手は休ませることができ、少し疲れている選手の出場時間を限定でき、コンディションのいい選手を長い時間、使うことが出来た」と語った。

 ミックスチームにしたのは、単なるコンディション調整ではないことも示した。「鹿島の監督時代、あれだけ失点が少なく、固いサッカーで勝ち続けたイメージがあったが、ボールの奪い方がアグレッシブで攻撃的になった気がするが?」と問われると「その道のりを我々は歩もうとしている。このようなプレーをスムーズにするには、練習でも試合と同じ強度にしないといけない。連戦で試合のセッションが取れておらず、あまり練習は出来ていないがアグレッシブにボールを奪い、攻撃につなげることを目指してプレーしている。選手には勝利に向かって戦おうと言った」と、戦う姿勢が選手に浸透しつつあることを強調した。

 その上で「練習だけではなく、メンタリティの部分も重要。選手によっては、もしかしたらポジションでの役割をもう1度、考え直して、メンタリティーを変えてプレーしないといけないかも知れない」とも指摘。選手に意識改革を求めるとともに、自らの志向するサッカーをワールドカップの中断期閑中に徹底的に浸透させることを示唆した。

 そして、鳥栖戦と広島戦とを比較し「広島は、そこまで守備的な戦術を取りませんでしたから、今までの試合と少し違うが…かなり相手が引いて我々を待つ試合が多い。その中、ボールを奪った後、カウンターアタックを仕掛けるのか、少しつなぎながらチャンスを伺うか、考えながら試合を進めないといけないと思っている」と今後の日本サッカーを戦う上での方向性を示した。【村上幸将】