サッカー男子で北海が10年ぶり13度目の全国出場を決めた。決勝はPK戦の末、惜敗したが、準決勝で昨年総体8強の旭川実に1-0で勝利。両チーム無得点の延長前半8分にFW阿部遼海(3年)が、ゴール前のこぼれ球を押し込んだ1点を守り、2校に与えられる全国切符を手にした。

 準決勝で打たれたシュートは14本。味方の3本を大きく上回る数を浴びたが、ゴールは割らせなかった。前夜は3時間かけて旭川実を分析。「チャンスは必ず来ると思った」と阿部。最後の好機を、がむしゃらにつかんだ。

 4強まで進んだ2年前の全国選手権道予選。現主将のGK志田耕太朗(3年)は、敗戦をベンチから見つめた。「あの時の3年生以上の一体感を作らなきゃいけない」。プリンスリーグから降格した今季は、自主的に練習メニューを決める「ボトムアップ」を一部放棄。要所で島谷制勝監督(48)の意見を加え、強化してきた。

 5月から札幌市内の練習場を転々としてきたが、7月25日に6基の照明を備えた人工芝グラウンドがオープンする。「いい練習をして、全国も勝ちます」(志田)。10年ぶりの舞台で旋風を起こす。【中島洋尚】