前節、松本山雅FCが前半42分のMFセルジーニョのゴールで最下位の京都サンガFCに1-0で勝ち、勝ち点43で首位をキープした。2位のFC町田ゼルビアも、前半43分のMF平戸太貴のゴールを守りきり、ツエーゲン金沢に1-0で勝って松本を勝ち点1差で追走。3位の大分トリニータが栃木SCと0-0、4位のレノファ山口FCは水戸ホーリーホックと2-2で引き分け、それぞれ4位5位に転落した一方で、横浜FCが湘南ベルマーレから加入のMF武田英二郎の移籍後初ゴールなどで、FC岐阜に3-0で快勝し6位から町田と勝ち点1差の3位へ浮上。東京ヴェルディと0-0ドローで勝ち点40にとどまり、6位に転落したアビスパ福岡まで、勝ち点4の中に6チームが密集する大混戦となった。

 今節、注目のカードは、松本が勝ち点6差の7位大宮アルディージャとアウェーで対戦する1戦だ。松本は、MFパウリーニョ(29)が11日の天皇杯3回戦・浦和レッズ戦で右長内転筋腱(けん)断裂で全治3カ月の重傷を負い、治療で9月下旬まで母国ブラジルに一時帰国。さらに、J1横浜F・マリノスから加入して半年のMF前田直輝が、名古屋グランパスに完全移籍と戦力ダウンが心配されたが、5戦無敗(4勝1分け)を続けている。大宮には、公式戦初対決となった4月1日のホーム戦で3-2で競り勝っている。

 一方、大宮は松本との初戦でゴールを決めたエースのFW大前元紀が絶好調で、前節徳島ヴォルティス戦でも5戦連続ゴールを決めたが、1-2で敗れて無敗が8でストップした。J1昇格プレーオフ圏内6位の福岡との勝ち点差は2…負けるわけにはいかない。

 2位の町田は、ホームで京都と対戦する。相手は最下位だが過去、J2リーグ戦では1勝2分け4敗と分が悪い。その上、ホームでは1分け2敗と勝ったことがない。ほぼ1年前の7月29日のホーム戦では、FW大黒将志(現栃木SC)に2ゴールを奪われ0-2で完封負けを喫した。ただ、通算7戦目で初勝利を挙げた2月25日のアウェーでの開幕戦では、FW鈴木孝司とDF深津康太のゴールで2-0で勝った。深津は金沢戦の終了間際に、右太もも裏にけいれんを起こして交代したが、試合後「大丈夫です」と強調。京都戦へ気合を入れている。

 横浜FCは、アウェーで14位の金沢と対戦する。公式戦通算成績は4勝1分け4敗と全くの五分だが、ここ2年で見ると17年6月21日の天皇杯2回戦で0-2で敗れたのを皮切りに1勝3敗と勝てていない。3敗のうち2敗を喫したアウェー戦…数字的には不安が残る。

 大分は3連勝で19位に順位を上げた愛媛FCをホームに迎え撃つが、J2では4勝4分け5敗と分が悪く、ホームでも2勝2分け2敗と五分の成績だ。今季は6月10日のアウェー戦で0-1で敗れた。

 山口は20位ロアッソ熊本とアウェーで対戦する。J2通算成績は3勝2敗と互角だが、アウェーでは過去2戦全勝だ。

 福岡は15位と苦しむ徳島ヴォルティスと、アウェーで対戦する。J2では14勝4分け7敗とリードし、今季も6月2日のホーム戦に1-0で勝ったがアウェーでは5勝1分け5敗と全くの五分。その上、徳島に夏の新戦力として加入した16年のJ1得点王ピーター・ウタカは、大宮とのデビュー戦で早速決勝アシストを決めているだけに、不気味な存在だ。