ドイツ・ブンデスリーガ2部のインゴルシュタット04からJ2アルビレックス新潟に完全移籍したMF渡辺凌磨(21)が、チームに新風を吹き込む。第26節ホーム・ジェフユナイテッド千葉戦を2日後に控えた27日、クラブハウス隣接のピッチで練習した。10対10のゲーム形式では控え組だったが、途中から先発組のツートップの一角に入った。前節東京ヴェルディ戦は途中出場でJデビュー。今節はホームのデンカビッグスワンでのデビューへ準備を整えている。

 10対10のゲーム形式で時折、プレーを止めた。ディフェンダーのポジショニングを確認しながら、ゲームを繰り広げた。MF渡辺凌は最初、控え組でプレー。途中から先発組に入って、仲間のスタイル把握に務めた。「味方の特徴を理解して、パススピードとか、走るタイミングとか、あうんの呼吸をつかむようにしている」。ドイツから注入される新しい風がチームを活性させる。

 ドイツ・ブンデスリーガ2部のインゴルシュタット04から8日に合流。「日本の7月、8月は4年ぶりだから、熱中症になりそう」といいながら練習、試合で体と頭をフル回転させている。日本プロサッカーのJ2デビューは25日の前節アウェー東京V戦の後半30分、途中出場。わずか15分の出場だが、J2サッカーの傾向をつかんだ。「プレッシャーは速いとも、強いとも感じなかった。『このトラップ、取られた』と思ったプレーが2回あったけれど、相手は詰めて来なかった」。1対1の個の力が強いドイツでもまれてきた男は、Jリーグの順応が早そうだ。

 13年のU-17ワールドカップUAE大会(ベスト16)で3得点したすご腕は、早大1年でドイツに渡った。だからこそ、Jの舞台は新しい体験ばかりだ。3-4で負けた東京V戦のアウェーに駆けつけた新潟サポーターは約1000人。「ブーイングするサポーターもいた。『次だ』と励ますサポーターもいた。新たな経験で新鮮だった」。ホームデビューを果たし、サポーターのためにも渡辺凌は戦う。【涌井幹雄】