ヴィッセル神戸のスペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)は来日2戦目で初先発し、1-0で柏レイソル戦の勝利に貢献した。

 神戸のスペイン代表MFイニエスタが来日2戦目の初先発で初勝利を飾った。「最初の勝利、とてもうれしい。特別な日になった」とかみしめた勝利。吉田監督が「当初は70分ぐらいで交代を考えていたが、彼の力が必要で(後半37分まで)引っ張りました」と明かしたほどだ。

 2万2879人が大歓声のプレーを連発した。足にボールが吸い付くようなトラップ、意表を突く浮き球のパス。ピッチの指揮者となって巧みに攻撃を動かした。決勝点は後半21分、FW増山の今季初ゴール。DF渡部の縦パスをイニエスタがスルーし、受けた郷家が逆サイドに折り返し唯一の得点が生まれた。

 「ボールを保持して組み立てる。裏にパスを出したり、常に最善のオプションを選択している。(チームへのフィット感は)とてもポジティブ。良くなっていると思っている」。各選手の顔、名前、経歴を学び、自らその選手の名前を呼んで話しかける。「すごく選手のことを知ろうとしてくれている」と渡部。“上から目線”はまるでなく、早くもチームに欠かせない男に。イニエスタ効果は10戦勝ちなし(2分け8敗)だった天敵柏からの勝ち点3と4位浮上をもたらした。【実藤健一】