鹿島アントラーズが土壇場の決勝点で6位へ浮上した。

 これが“神様”の力なのか。16年ぶりに鹿島に戻ったジーコ・テクニカルディレクター(TD)の復帰初戦。後半ロスタイムにFKから、移籍後初先発のDFチョン・スンヒョンが頭で落とし、DF西が右ボレーでたたき込んだ。昨年9月のG大阪戦以来となるロスタイム決勝弾。伝統の勝負強さが復活した。試合後「オレ、かっけー!」と絶叫した西は「みんなでやり続けた結果」と勝因を誇った。

 試合直前にGKクォン・スンテが右太ももを負傷。「この年で初めての経験」と急きょ、曽ケ端が出場するアクシデントがあった。だが、我慢強く守り切って最後につなげた。試合後に1人1人と握手したジーコTDは「主審が笛を吹くまで諦めずにやるという、単純で当たり前のことを信じてやり続けた選手をたたえなければいけない」。ジーコイズム、恐るべし。