日本代表に初選出されたサンフレッチェ広島DF佐々木翔（28）が、自らのゴールで祝った。1－1で迎えたホーム鹿島アントラーズ戦の前半43分、同じく代表のMF青山が送ったクロスに反応。鹿島の代表MF三竿健とGKが交錯し、こぼれたところを見極めて動き直すと、左足で無人のゴールど真ん中に蹴り込んだ。

直接FKのチャンスで攻め上がっていた好機を生かし、左サイドバックながら今季3点目。初代表で気持ちが乗ったのか、14試合ぶりの1発に「チームの狙い通り。（FW）渡が競り合ってくれたので、こぼれ球をイージーに決めるだけだった」と喜び、青山らチームメートと満面の笑みでハイタッチした。

森保監督時代の15年に甲府から広島に加入し、リーグ優勝に貢献した。ところが、翌16年に右膝前十字靱帯（じんたい）を断裂し、17年も再発。2年間で計4試合しか出られない試練を味わった。長いリハビリに耐え、完全復活した今季は全25試合に先発。首位を走るチームの主軸になり、今は代表の森保監督から初招集された。「けがは無駄だと思っていない。今回は初めての代表でチヤホヤしてもらったけど、今日この試合を勝たないと気持ち良く行けないと思っていた。押し込まれた時間帯もあったけど、結果がすべて。良かった」と納得した。

城福監督も「佐々木のゴールは、ご褒美でしょう。守備もしっかりしてくれて破綻しなかった。この試合に懸ける思いが代表選出で薄まってはならない、集中してほしい、と話しましたが、分かってくれていました」。浮足立つことなく、攻守に堅実だった佐々木を褒めたたえた。

ハーフタイムには、青山とともに代表選出をEスタの電光掲示板で報告され、サポーターから拍手が送られた。後半も手堅い試合運びで3－1とし、1試合少ない2位川崎Fとの勝ち点差を9に広げた。がっちり首位キープ。3日に始まる札幌合宿へ、勝ち点3を置きみやげにした佐々木は「また（森保監督と）一緒にできる喜びが大きい。今まで代表は見る場所だったけど（負傷明けのシーズンで）サッカーができる喜びもあるし、チャレンジしたい。広島でつけてもらった力を出したい」と気持ち良く受け答えしていた。