スペイン2部タラゴナを退団し、柏レイソルに約3シーズンぶりに復帰したDF鈴木大輔(28)が9日、千葉県柏市内の三協F柏スタジアムで会見を開いた。鈴木は「次の挑戦にこだわっていた」と語るとともに、柏に電撃復帰した真相を明かした。主な一問一答は、以下の通り

-柏は現在15位。どうプラスアルファをもたらせるか

鈴木 まずは、引っ張ってやっていきたい。自分が入ったから特別、何かが変わるとは思っていない。守備の失点が急激に減るか…ということではない。ただ、経験を伝えたりとか、自分のキャラクターを前面に押し出し、チームの勝ちの可能性を上げることは確実に出来ると思うので。苦しい状況かも知れないけれど、自分が在籍してきた時もこういう状況はありましたし、乗り越えてきた選手もいて経験もあるクラブ。自分がこのチームを救っていく、とかではないと思って。そういう周りの声を入れずにやっていきたい。

-練習は参加した?

鈴木 しました。(知っている選手は)半分もいなかった。でも移籍して、こっちに来る前に連絡は取っていなかったので、みんな驚いていました。

-どこを一番見てほしい?

鈴木 今、自分が日本でプレーすることによって、逆にそこがハッキリするのかなと思っています。戦術的な部分だとか、海外のタイプの違うFWと対戦してきた対応の部分とか成長は感じていますけど、本当のところは今からつかんでいきたい。若い選手が多いと聞くので、引っかかりを持ってプレーしている選手には、海外でやってきたメンタル的なところ、鍛えられた部分があるので、ちょっとはほぐせるのかな。

-スペイン1部への移籍が難しかったと言うが、他国のクラブに行く可能性はなかったのか?

鈴木 (他国が)チョイスになかったと言うとウソになりますけど、第一希望はスペイン2部でやった中でのステップアップが1部。全ての可能性を見たいと動いてはいました。(他国1部から話は)ないこともないですけど。スペイン1部を強く探っていたところで、その間、いろいろな全ての可能性を含めてやってきた中で、自分がもう1回、代表を狙ったりとかJリーグで活躍するのが今の自分にとって一番、いいんじゃないかなと思ってこの判断になりました。(タラゴナから)契約延長のオファーをもらった時は、うれしかったですけど、今の自分にスペイン1部の道がまずなかったというところは、自分の実力不足だと受け入れてますし、そういう悔しさを含めて、これからが大事。

-スペイン2部は卒業?

鈴木 次の挑戦というところにはこだわっていました。

-代表復帰が日本復帰の大きな動機?

鈴木 もちろん、それは理由の1つとしてあります。でも、それが全てではないと自分の中では思っていて。

-欧州トップリーグで活躍している日本人センターバックは吉田麻也(30=サウサンプトン)くらい

鈴木 日本人センターバックが向こうで評価されるというのは非常に難しい。言葉の面もあり、トップで活躍しているのが麻也君だけ…という現状を、自分は変えたいと思ってチャレンジしていましたので、難しさは感じていました。ワールドカップ(W杯)ロシア大会の日本代表の活躍もそうですけど、実力は(欧州と)そう変わらないと思っているので。ここから、どんどん日本人センターバックが海外に出て行くようになると思っています。

-すぐ試合には出られる?

鈴木 自分は(準備が)出来ています。あとはクラブに任せています。

-サポーターにメッセージを

鈴木 去った選手に期待してくれているのは、自分の耳には届いていましたし、すごいうれしかったです。なので本当に感謝の一言です。

鈴木は会見後、スタンドのサポーターにあいさつに行き、歓声を浴びた。