残り9試合…勝ち点21の最下位V・ファーレン長崎から同32の9位・浦和レッズまで、勝ち点11の間に10チームがひしめく。残留の目安は勝ち点40という見方が一般的だが、その死守を目指すチームの戦いは熾烈(しれつ)さを増す。今節は、そのカギとなりそうな試合が複数ある。

勝ち点32の10位ジュビロ磐田は、アウェーでセレッソ大阪と対戦する。磐田は1日の前節名古屋グランパス戦で1-6と大敗するなど、ここ5戦で2戦未勝利を含む1勝1分け3敗と不振が続く。一方のC大阪は、ここ4戦で3勝1敗と復調傾向で、アジア・チャンピオンズリーグ出場圏内の3位FC東京との勝ち点差も3に迫っている。磐田は過去4分け1敗、アウェーでも1分け2敗とC大阪に勝てていない。

勝ち点30の13位湘南ベルマーレは、アウェーで同36の8位・鹿島アントラーズと対戦する。4月のホーム戦では、後半ロスタイム4分にDF山根視来が決勝弾を決め、ラスト1プレーで劇的な勝利を挙げた。9日のYBCルヴァン杯準々決勝では、17年の王者C大阪とアウェーで2-2で引き分け、ベルマーレ平塚時代以来22年ぶりの4強進出を果たした。J2とのプレーオフ圏内の16位サガン鳥栖との勝ち点差が4と、リーグ戦では厳しい戦いが続くだけに、強敵鹿島とのアウェー戦と言えども勝ち点3死守を成し遂げたいところだ。

長崎は、前節磐田に大勝し、磐田と勝ち点1差に迫った11位名古屋とアウェーで対戦する。5連敗を含む1分け6敗と7戦未勝利中で、残り9試合で残留の目安とされる勝ち点40まで到達することを考えると、是が非にでも勝ち点3をもぎ取りたいところだ。連敗した5試合は、いずれも複数失点している上、名古屋は好調のFWジョーが2戦連発、5得点と猛爆中。7月に加入し、DFリーダーとして奮闘するヨルディ・バイスの粘りが生命線だ。

鳥栖と勝ち点3差の15位・柏レイソルは、勝ち点2差の12位・清水エスパルスとホームで対戦する。柏はここ6試合で3勝3敗だが、勝利の次節は負けという流れを繰り返している。その中、9日にホームで戦ったYBCルヴァン杯準々決勝では、後半16分のMF瀬川祐輔のホーム戦初ゴールでJ2ヴァンフォーレ甲府と1-1で引き分け、アウェーゴール差ながら準決勝進出。その勢いをつなげたいところだ。一方の清水も、ここ7試合で3連敗を含む1勝1分け5敗と苦しい戦いが続く上、今節はここ4試合で3発のFWドウグラスが出場停止。結果次第では、柏との順位が入れ替わる可能性がある中、エースの不在は痛すぎる。

勝ち点29の14位・横浜F・マリノスと浦和との試合も、横浜が勝てば勝ち点で浦和に並び、大量得点すれば順位が入れ替わる可能性もある1戦だ。過去のデータ的には、横浜が3連勝、4勝2分けで6戦無敗、ホームで2勝1分けで3戦負けなしと有利だ。

鳥栖は勝ち点55の首位サンフレッチェ広島とホームで、鳥栖と勝ち点2差、長崎とは同3差の17位ガンバ大阪は、勝ち点36の7位ヴィッセル神戸とアウェーで対戦する。この2試合の結果も含め、残留争いの展開が変わる可能性をはらんだ第26節となりそうだ。

上位争いでは、勝ち点41の4位・北海道コンサドーレ札幌が、勝ち点5差の2位川崎フロンターレとアウェーで対戦する。川崎Fには2連敗中で、近年は1分け6敗、アウェーでも3戦全敗と完全に苦手にしている上、アジア大会で準優勝したU-21(21歳以下)日本代表MF三好康児が、川崎Fからの期限付き移籍のため出場できない。それでも、6日に発生した北海道胆振東部地震後初のリーグ戦だけに、道民に勇気を与えるためにも負けられないところだ。