北海道コンサドーレ札幌は敵地で横浜F・マリノスに1-2で敗れた。前半21分にFWジェイ(36)のゴールで先制したが、3分後に追いつかれ、前半終了間際に逆転された。MF宮沢裕樹主将(29)ら主力3選手を出場停止で欠いたこともあり、2点目は遠かった。勝ち点は上積みできず、44で4位。残り6試合、ACL出場圏3位鹿島との勝ち点差も1のままとなった。

札幌は雨中の試合を制することはできなかった。ジェイの1発から試合は動いた。前半21分、MF荒野から右サイドでパスを受けると前へ運んだ。相手守備をかわし、ペナルティーエリアライン付近から左足でミドルシュート。ゴール左へと流し込まれ、先制した。だが、わずか3分後に同点に追いつかれると、42分に勝ち越された。後半の巻き返しもかなわなかった。ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)は「同点に追いつくチャンスはあったが、最終的に負けてしまった」と悔しさをにじませた。

指揮官はリーグ最多得点の攻撃力を持つ横浜対策を講じた。守備時に4バックの布陣を指示した。左サイドバックにはMF菅を入れた。試合2日前の練習から試していた。普段は5バックとなるが「相手は3トップで横幅いっぱいにポジションを取る。5枚は人が多い」と変えた。だが、4枚のDFラインで相手攻撃を制圧することはできず、中盤で揺さぶられ、2失点につながった。

主力3人の不在に、総力戦で臨んだ。チーム最多12得点のFW都倉、最多6アシストのDF福森、主将のMF宮沢が警告累積で出場停止だった。最前線で奮闘したジェイは出場8試合ぶりの今季5ゴール目。それでも「久々にゴールを決めたけど、勝ち点を取れなかったのが残念」と肩を落とした。

ジェイにとって日本人は「感情的を表に出さない」印象があったという。だが、北海道胆振東部地震後初の試合だった川崎F戦で、7失点の完敗に涙して悔しがるサポーターが目に入った。「パッションをすごく感じた。すごく申し訳ない気持ちになり、こんな思いを2度とさせたくないと思ったんだ」。この日もサポーターへ白星をささげられなかった悔しさに、表情は曇った。

試合前、3位鹿島とは勝ち点差1。勝てば3位に浮上する一戦に、選手は奮い立っていた。残り6試合。「引き続き全力で戦い、できるだけ上位に」と、ペトロビッチ監督も初のACL圏内入りを諦めない。次節20日アウェー湘南戦、勝ち点3を取りに行く。【保坂果那】