アルビレックス新潟はFC町田ゼルビアに2-0で勝ち、9戦連続負けなしの好調ぶりをホームで見せた。MF渡辺新太(23)が2得点で大暴れした。0-0の後半11分に渡辺が先制ゴール。その5分後にはPKを放り込み、通算得点を2桁の10点に乗せた。新潟は15位から順位を1ランクアップの14位になった。

ゴール裏のサポーターに向かってMF渡辺新は右手を突き上げ、ジャンプしながらほえた。後半11分。0-0の均衡を強烈なシュートが破った。DF川口尚紀(24)の右クロスを中央のFW河田篤秀(26)がスルー。ファーサイドから3タッチ目で渡辺新は右足を振り抜いた。ゴール左隅に跳び込んだボールに相手GK高原寿康(38)は、ほとんど反応できなかった。

「ダイレクトで打とうと思ったけれど、ちょっと自信がなかった」と渡辺新は周囲を笑わせた。しかし、瞬時にプランを転換させられるところが真骨頂だ。同16分にはDF広瀬健太(26)がペナルティーエリア内で倒されて得たPKを、きっちり決めて2点目。6試合ぶりのゴールは複数得点で、通算得点を10点の2桁に乗せた。「最低目標が2桁得点」と話していた目標をホームで達成した。「マジでホッとした」と言った。

チーム最多タイの8得点で河田と並んでいた渡辺新は、今週の練習中からゴールの臭いをかいでいた。9月15日の第33節金沢戦から得点はピタリと止まっていたが、こんな話をしていた。「追い込まれれば、追い込まれるほど自分は強い。やりますよ。たぶん、2点くらいは取れる」。まさに公言通りの2得点だった。

町田戦のピッチを走りながら、渡辺新はゴールの予感を確信に変えていた。「町田はセカンドボールと球際にガンガン来ると思っていたけれど、あまり来なかった」と言う。ペースを握っていれば、チャンスは来ると思っていた。「みんながハードワークした結果。最後に、点を取れるポジションのオレが…。という感じでした」。リーグ戦3試合を残すだけだが、渡辺新は今季の通算得点を「15ゴール」に上方修正した。【涌井幹雄】

◆記録 MF渡辺新太が今季2度目の1試合2ゴールをマークし、目標としていた2ケタ得点に到達した。新潟の日本人選手では13年の川又堅碁以来8人目。ルーキーのリーグ戦10得点以上はクラブ初の快挙。