柏レイソルは10日、加藤望前監督(49)を解任し、岩瀬健コーチ兼アカデミーヘッドオブコーチ(43)が監督に昇格し、今季の残り公式戦の指揮を執ると発表した。

岩瀬新監督は同日の練習後、三協F柏スタジアムの会見場で取材に応じ「選手の話は聞きたい。とにかく勝ちたい。思っているものとか、勝つ可能性が上がるものがあるなら、誰の話でも聞きたい」と、選手の意見をくみ取り、勝つために全員で戦う覚悟を口にした。

岩瀬監督は前日9日に、瀧川龍一郎社長が加藤前監督を解任したことを受け、その日の午後に強化部から監督就任の打診を受けたという。岩瀬監督に先立ち、取材に応じた同社長は、加藤前監督の解任を考えた引き金が0-3で惨敗した3日の川崎フロンターレ戦で、2-3で打ち負けた6日の鹿島アントラーズ戦で解任を決断したと説明。「選手、チームの現状を知り、今、任せられるのは岩瀬しかいないという判断」で岩瀬監督をコーチから昇格させたと語った。

岩瀬監督は囲み取材の冒頭で「僕自身にも責任があると思う」と自らの責任を口にした。その上で苦境に陥った柏に必要なこととして「攻守の大枠を少し整理する。どう攻め、守るのかを整理すること」と語った。

鹿島戦後、選手の間からは守備の立て直しが急務だという声や、試合中の選手交代に柔軟に対応してきた鹿島と比較し、策がなかったとの声もあった。岩瀬監督は「鹿島戦で言えば、僕もベンチにいたけれど、ノゾさん(加藤前監督)が示したものもある。全部、伝わってなかったかもしれない。結果、負けたから選手がそういうことを話したかもしれないし、僕も話したことは知っているけれど、僕らは勝とうとしていたし、勝てるだろうというものを作っていました。それはノゾさんも一緒」と語った。

岩瀬監督は、成績不振を受けて5月13日に解任された下平隆宏監督の後任としてヘッドコーチから昇格した加藤前監督に続き、今季3人目の監督になる。1994年(平6)から98年まで浦和レッズ、99年から02年まで大宮アルディージャでプレー。05年に浦和の育成年代のコーチとして指導者を始め、浦和の下部組織のコーチを歴任した後、15年に柏の下部組織U-15監督に就任。翌16年にはアカデミーのダイレクター、17年にトップチームのヘッドコーチを経て、今季からコーチ兼アカデミーヘッドオブコーチを務めていた。【村上幸将】