横浜F・マリノスはセレッソ大阪に1-2で逆転負けし、12位でシーズンを終えた。横浜の選手たちは今季から就任したポステコグルー監督のもとで新たに取り組んできた攻撃的なサッカーに一定の手応えを感じつつ、来季の飛躍を誓った。

最終的な順位こそ12位だが、今季は序盤から下位に低迷し、降格圏17位の柏レイソルとは勝ち点2差、J2クラブとのプレーオフに回る16位磐田とは勝ち点で並び、得失点差で上回って残留を決めるというギリギリでのフィニッシュだった。今季は昨年までの守備的なサッカーとは一変し、GKから細かくパスをつないでビルドアップする新たなサッカーを導入。サイドバックが中央寄りにポジションをとってプレーするなどそれぞれの動き方も様変わりし、選手は適応に苦しみながらも最後まで指揮官の求める戦術を貫いた。

GK飯倉大樹(32)は「苦しいシーズンだった。何もわからないところからスタートして、うまくいかなくて。やっとうまくいくようになったと思ったら対策されてできなくなって。その繰り返しだった」と振り返った。

飯倉はこの日の試合でも最終ラインからのビルドアップを徹底。時には自身がドリブルしてボールを運び、パスをつなぐなど、会場もどよめくプレーでチーム戦術を全うした。前節のサガン鳥栖戦では残留を争う相手の勢いに押され、目指すスタイルは鳴りをひそめた。飯倉は「ボスが今日は自分たちのサッカーをしようと言っていた。うしろからのビルドアップができたかなと思う」と手応えも口にした。来季は現在のサッカーのさらなる進化も誓い「ロングボールを増やしていくことは必要だと思う。途中からボンバー(中沢)が入ってきて、ああいう風にフィールドで指示を出して選手を動かせる選手が増えていかないとタイトルはとれないし、ハードワークしていかないといけない」と話した。

チームは今年、元日の天皇杯決勝と10月のルヴァン杯決勝という2度の決勝戦で敗れて涙をのんだ。DF松原健(25)は来季のタイトル獲得を誓い「2つのタイトルをとれなくて、悔しい思いをしたシーズンだった。でも、それと引き換えに今までやってきたことだけだと、タイトルは手に入らないとわかったし、来季は足りなかったものをとるために全力でやっていきたい」と意気込んだ。