J2アビスパ福岡は12日、福岡市内で新監督就任発表と新体制発表を行った。

サポーター約300人にも公開された会見で、イタリア人のファビオ・ぺッキア新監督(45)は、目標を問われ「覚えた言葉(日本語)の『勝つ』で行きます」と闘志を燃やした。

目指すスタイルは「アジアと違うヨーロッパスタイルを持ち込む」と言い「アグレッシブサッカーが好きなので、ボールを高い位置で奪い、試合をリードしたい。そして昇格を狙いたい」。試合を通じて、ボール支配や攻撃で圧倒するチームづくりを理想とした。

福岡は昨季J2最終節で昇格プレーオフ(PO)圏外の7位に沈み、監督だった元日本代表DF井原正巳氏(51)が引責辞任した。

2年連続で昇格を逃し、クラブは課題だった「攻撃サッカー」の向上を模索する中、昨季終盤に売り込みがあった新監督サイドと意見が合致したという。

新指揮官は、現役時代にユベントスやナポリなどで攻撃的MFとしてプレー、セリエAなどで500試合以上に出場した経験を持つ。36歳で現役引退し11年に指導者転身。スペイン1部レアル・マドリードの助監督などを経て、昨季はセリエA昇格に導いたべローナを率いていた。

経験も豊富。「(映像で)試合を見た福岡にはいい面がたくさんある。それを生かしながら、自分のサッカーを加えたい」とした。

この日の新体制発表には、全国高校選手権に出場中の青森山田DF三国ケネディエブス(18)を除く新加入7人が参加。今季は、さらに外国人のセンターFWと、CBとSBが両方こなせるDFを加えた24人体制で臨む予定だ。

けが人による選手層の薄さが危惧される。だが、よりコミュニケーションを重視したい監督の意向もあり“少数精鋭”の陣容となった。チームは13日から始動。クラブ名のアビスパ(スペイン語でスズメバチの意味)のごとく、波状攻撃で3年ぶりのJ1復帰を目指す。【菊川光一】