16年以来のJ1復帰を狙うJ2アビスパ福岡が13日、福岡市内で「超攻撃サッカー」の実現に向け、始動した。

練習に先がけ、今季から指揮を執るファビオ・ぺッキア監督(45)は全体ミーティングで「勝つグループを作ることが目標。勝つ気持ちを体からあふれ出させてほしい」と訓示。昨季主将を務めたMF鈴木惇(29)が「練習はきついと聞いているので、ビクビクして来た」と印象を語った。

イタリア人新指揮官のもと、全員が気を引き締め、午前と午後にグループ分けし、体力測定を行った。

初日の体力測定は、イタリアでは通例だという。選手全員が1周300メートルの天然芝グラウンドを、時速13・5キロで1・35キロ、ランニング。その後、採血し、乳酸値を測り、故障の有無や服用するサプリメントなどを確認する個人面談まで行われた。

今後も選手の疲労度などコンディション把握のために複数回行われる予定だ。現役時代同様に攻撃を好むぺッキア監督は「現代のオフェンシブ(攻撃的な)サッカーではコンディションが大事になる。選手の体力やスピードを成長させることが第一」と意図を説明した。試合の主導権を握り、圧倒するサッカーを目指し、新天地での第1歩を踏み出した。

コミュニケーションを重要視する指揮官は、練習中も積極的に選手に話しかけた。「期待している」と声をかけられたチーム最年長のFW城後寿(32)は「チームは新しく生まれ変わった。心機一転、頑張り、チームの目標を達成できるようにしたい」と声を弾ませた。

14日まで体力測定を中心に行い、15日からボールを使った練習が行われる予定だ。【菊川光一】