J1ベガルタ仙台のクラブコーディネーターを務める平瀬智行氏(41)が12日、東北少年院(仙台市若林区)で職業講話を行った。昨年まで3度のサッカー教室などで同少年院と関わっており、初の講話ではサッカー人生を振り返りながら約1時間、16~20歳の在院者54人に熱っぽく語りかけた。

10年までJ1の4クラブでプレーし、J1鹿島アントラーズではJリーグ初の3冠にも輝いた。だが、その裏でけが、挫折などの失敗も経験。スパルタ練習に耐えた高校時のエピソードなどを交えながら、「やめることは簡単。続けることは本当に難しい。続けていれば必ずチャンスはくる。努力はチャンスをつかむための準備」と、夢に向かって努力する姿勢を訴えた。さらに人との絆や感謝する心の大切さを強調。質問コーナーでは「壁に当たったら」の問いに、「強行突破しないで少し脇道にそれてもいい。ヒントが見つかるかもしれない。気持ちを切らさず、自分を守るために冷静に危険を回避する」と助言した。

過去に少なからず挫折や失敗を味わった在院者たち。今春、退院後の就職が内定している19歳の青年は「不安はありますが失敗を塗り替え、一人前になれるように準備したい」と前向きに話した。【佐々木雄高】