鹿島アントラーズのDF内田篤人(30)が主将として初の公式戦に臨み、ハーフウエーライン付近からの正確なロングボールでFW伊藤の同点弾をアシスト。試合中は声を張り上げ、アウェイで勝ち点1をたぐり寄せた。

主将就任時には「(主将は)やったことねーし、やるキャラじゃない」と言っていた内田だが、ピッチに立つとキャプテンらしく、チームを鼓舞した。その声は、スタンド上層部の記者席にまで届くほど。「満男さん(先代の主将小笠原)は背中で見せるタイプだったけど、俺はまだ体が100%じゃないからできない。『うるせえな、できないくせに』って思われてもいいから、伝えていかなきゃ」。小笠原も引退し、気がつけばチームの日本人フィールドプレーヤーで上から2番目。「下が増えていく中で、満男さんも引退して。やっていかなきゃいけないって気持ちは出てくるよね」と、立場が意識を変えていった。

伸び盛りの若手の成長に目を細めるのも、チームを思うからこそ。「(フル出場した21歳センターバックの)町田だったり若い選手は、こういうしびれるゲームをやっていくと嫌でも成長していくからね。隣で成長させていかなきゃいけないと思ってる。190センチの左利きのセンターバックなんて(めったに)いないよ。そういうのも楽しみだったりする」とうれしそうに話した。

それでも試合を振り返ると、「勝ちに行って1-1だった。みんな結果には満足していない」と引き締めた。勝利にこだわる、常勝軍団の主将らしい姿がそこにあった。