東京五輪(オリンピック)代表も目指す浦和レッズのU-20代表MF橋岡大樹(19)が、プロ初の2ゴールでチームの今季初白星に貢献した。DF槙野智章(31)の先制点から25分後の後半30分、ゴール前でのこぼれ球に右足を思い切り振り抜いた。

同43分には走り込みながらショートバウンドに右足を合わせた。プロ初の1試合2得点の活躍に「こういった形で2点とれたことはうれしいし、今季初の勝利をもってこられたことがうれしいです」と素直に喜んだ。

この試合に懸けていた。浦和では昨季途中から定位置をつかんだが、今季は前の試合で先発落ち。そこで目が覚めた。「練習から1歩1歩、取り組むのが大切と気付かされた。いくら悪いプレーをしていても出してもらっていた。謙虚さを忘れちゃいけない」。東京五輪の代表を目指す中で自分を見つめ直した。「僕は決してうまい選手じゃないですけど、自分自身、この試合にかける思いはすごかった。毎回そういうモチベーションですけど、メンバーから外れて、もっと頑張らないといけないと気付いて、自分が持っている力を試合で全力で出そうと入った。その結果、周りの選手のサポートのもとで2点とれた」。謙虚かつ愚直にピッチを走ったからこそ、最高の結果が生まれていた。

スタンドには五輪代表の監督も兼任する日本代表の森保一監督(50)が視察に訪れていた。これ以上ないアピールを決めたが「来ているのは知らなかったです。アピールは大切だし、少しは目に見える結果をもってこられた。少しは焼き付いてもらえたかなと思うけど、まだ1試合」と浮かれなかった。「1日1日をサッカーに費やして、いい結果をもってこられるようにしたい。次のJリーグにしっかりつなげられればと思う」。浦和で、五輪代表で、一歩ずつ階段を上っていく。

 

◆橋岡大樹◆ はしおか・だいき。1999年(平11)5月17日、埼玉県出身。浦和ユースから18年にトップ昇格し、4月11日の神戸戦でJ1初出場。新人年から右サイドの定位置をつかみ、U-19日本代表としても活躍。いとこは陸上の走り幅跳びで日本選手権を2連覇の橋岡優輝(20=日大)。J1通算25試合1得点。182センチ、73キロ