清水は1-3で湘南に敗れ、開幕から5戦未勝利(2分け3敗)となった。前半にセットプレーから2失点。さらに1失点して迎えた後半途中から、不整脈の治療などで離脱していたエースFWドウグラス(31)が今季初出場したが、無得点に終わった。課題の守備は改善できず、開幕から5戦14失点。チームが上向く兆しは見えてこない。

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勝てないどころか、また守備が崩壊した。1点を追う前半44分にMF金子翔太(23)の今季初ゴールで同点。ただ、反撃ムードも一瞬で終わった。同ロスタイム、CKから再び失点。悪い流れのまま迎えた後半も1失点し、力尽きた。初勝利を信じて声援を送ったサポーターも試合終了を待たずに席を立つ。ブーイングもなく、拍手もまばらだったスタジアムには停滞感しかなかった。

ヤン・ヨンソン監督(58)が「内容はよかった」と振り返った前半も、1点を追う展開で折り返した。後半17分にはFWドウグラスが今季初出場を果たしたが、同25分に失点。その後は攻撃が単調になり、リズムが変わらないまま試合終了を迎えた。MF竹内涼主将(28)は「(攻撃の)形は作れていた」と話し、小気味よくパスはつないでいたが、シュート数は8-13。ゴール前での積極性が勝敗の明暗を分けた。

「うまくいっていないわけではない」(竹内)。選手の多くは攻撃に一定の手応えを感じているが、得点が奪えずに失点を重ねる悪循環。指揮官も「チャンスは多くつくれている」と悲観しなかったものの、サッカーに「試合内容」を判定するルールはない。開幕から5戦未勝利。このまま勝てない試合が続けば、重圧もさらに大きくなってくる。

6日の次節は、2位の東京と対戦する。ドウグラスは「美しいサッカーはいらない。この状況を変えるのは勝つこと。次は貢献して必ず勝ちたい」。頼れる助っ人の力強い言葉が唯一の光明だった。【神谷亮磨】