J1清水エスパルスが「原点回帰」で浮上のきっかけをつかむ。10日のルヴァン杯G大阪戦(アイスタ、午後7時)に備え、9日は静岡市内で非公開練習を行った。

ヤン・ヨンソン監督(58)は「週末の試合に向けても、いいパフォーマンスを見せなければいけない」。リーグ戦は現在最下位。大会が違うが、ルヴァン杯が不調を脱するための一戦と位置付けている。

鍵となるのは堅固な守備だ。今季リーグ戦では6試合でリーグワーストの16失点。そのうちの10失点を後半に許している。運動量が落ち、集中力を欠く終盤での戦い方に課題が多い。ヨンソン監督が目指す本来のスタイルは「いい守備からいい攻撃」。昨季の躍進を支えた堅守速攻の戦いに徹することがチームに求められている。

GK西部洋平(38)も「内容よりも結果。死ぬほど声を出していきたい」と強い決意を示した。リーグ戦を含めた今季公式戦全8試合で得点は奪えているが、無失点の試合はルヴァン杯磐田戦(3月13日)1試合のみ。課題となっている後半の守備を修正できれば、勝機も見えてくるはずだ。

守備のキーマンとなるDFヴァンデルソン(28)も守備の重要性を強調した。「チーム全員が集中してやれば結果につながる」。DF水谷拓磨(22)も「1対1の場面では絶対にやらせないという強い気持ちが大事」と語気を強めた。チーム状況が好転するためのポイントは明白。「まず守備」の戦いで勝利を目指す。【神谷亮磨】