日テレ・ベレーザはFW田中美南(24)の3得点を挙げるハットトリックの活躍などで日体大FIELDS横浜に6-0で勝利した。

日テレは今季のカップ戦開幕となった4月7日のAC長野パルセイロ・レディース戦では主力選手の大半が代表活動で不在だったことも響き、0-3で敗北。その代表組が戻ってきたこの日の試合では、しっかりと実力差をみせつけた。

長野戦にも出場していた田中は前節の敗戦を糧にした内容になったことを喜び「(前節は)攻撃の起点になれなかったり、自分の良さを出せなかった。まずはその課題を克服しようということで臨んで、得点をとれたのはすごくうれしいし、内容的にもしっかり起点になって中に割って入ってゴールにむかうということができた」と振り返った。

チームはリーグ戦では3試合を終えてINAC神戸レオネッサと勝ち点7で並びながら得失点差で首位に立っている。昨季はリーグ4連覇に加え、カップ戦、皇后杯も制する3冠を達成した常勝軍団にとって、主力不在とはいえ0-3での完封負けは重くのしかかった。今後も6月のW杯フランス大会などで主力選手が不在となり、その中でカップ戦などをこなす時期がやってくることが予想される。田中は「先週、負けて周りから『しょうがない』と言われることがあったけど、そうではなくて自分たちはやっぱり勝たないといけない。代表組がいようといなかろうと永田監督や自分たちの求めるサッカーを出したいというのがある。自分も普段、試合に出ている身としてもっと引っ張っていきたかったし、できなかったから情けない思いがあった」。

この日、負傷離脱から復帰して1ゴールを挙げたMF籾木結花(23)も「自分の復帰戦というよりは、長野に負けて、メンバーは前節と差はあるけど、やっぱりメニーナも含めたベレーザという組織として、どう改善してぶつけるかという方がすごく大きかった試合だった」と振り返った。

長野戦では下部組織の日テレ・メニーナ所属の中学生選手も起用するなど、代表活動中は10人近くの選手を送り出す名門ならではの悩みがある。永田雅人監督はこうした状況を前向きにとらえ「去年もそういう状況はありましたし、その中でサッカーを進めていたスタイルは変わらない。人数が少なくなれば逆に細かく見られますので、チームにいる選手でさらに強度やスピードを上げていければ」と話した。