川崎フロンターレが、ベガルタ仙台に3-1で下し、4連勝で暫定3位に浮上した。川崎FのFW小林悠(31)が“記念ずくめ”の2発だ。

4月28日の神戸戦で、チームの平成ラストゴールを決めたエースは前半13分、MF脇坂泰斗(23)のパスをゴール左で受けるとトラップから速い振りで「チーム令和1号」を達成。さらに後半8分には、Jリーグで令和初のPK弾を決め、リーグ令和初の複数得点者に名を刻んだ。

小林は「(令和1号を)狙っていたので嬉しい」と笑みをこぼした。1点目の後は、、MF田中碧と吉田勇樹コーチの30歳の誕生日を祝福するため、吉田コーチのイニシャルの「Y・Y」のポーズ。小林はゴールパフォーマンスに「吉田コーチから『Y』をやってと言われて。1人だと悠のYだと思われるので、碧(田中)と2人でY・Yをやったのですが、どうもWに見えたという…」と苦笑した。

後半はMF長谷川竜也(25)がペナルティーエリア内で倒されて得たPKを決めた。試合の2日前、長谷川が「PKをもらったら、自分が蹴る風に持っていって、いつもお世話になっている悠さんに渡しますね」と宣言していたという。その宣言通り、長谷川が小林にボールを渡し、小林は「本当にやるから超笑いそうになりました。リラックスできましたね」。

小林自身も、試合前からPKの予感を抱いていたことを明かし「右か左か。蹴る直前まで決めていなかったですが、どちらに蹴っても入るなと言う感覚があった。PKもこれから普通に決められるようになればいいかなと」と話した。

17年の得点王&MVPに輝いたエースだが、今季は公式戦12戦無得点のトンネルを経験した。それでも練習場に「背番号11」のユニホームを持って「次は入るよ」「信じているからね」と声をかけてくれたサポーターや家族の前向きな支えもあり、4月23日のACL・蔚山戦で初ゴール。「小林悠を信じて良かったと思ってもらえるよう、どんどんゴールを重ねていきたい」と誓った通り、公式戦3戦4発と波に乗る。

この日は1トップで出場し「真ん中が一番やりやすいのはありますし、ボールの動かし方や攻めのバリエーションもいろいろできて、すごく良くなっている手応えがある」と話す。

チームはMF中村、家長、阿部、DF奈良、車屋と主力の負傷が続いているが、23歳のMF脇坂、20歳のMF田中と若手が躍動し4連勝。小林は「今日のメンバーは前線の4人が流動的に動きながら早いボール回しができた。勝つことで、次もこの喜びを経験したいと。次は5連勝と切り替えて勝ちに対しての欲も出てくると思う。勝つことに意味がある」とチームの層の厚さへの手応えを口にした。