浦和レッズが、令和初の高卒新人として尚志(福島)のU-18日本代表FW染野唯月(そめの・いつき、3年)の獲得に乗り出していることが9日、分かった。昨年度の全国高校選手権で2年生ながら得点王に輝いたストライカー。13日から練習参加する予定で、クラブは能力や適応力を見極めると同時にチームの魅力もアピールする。鹿島アントラーズをはじめ、複数クラブの争奪戦になっている男を射止めにいく。

選手権準決勝では、優勝した青森山田を相手にハットトリック。場所は浦和の本拠、埼玉スタジアムだった。今年も春から順調。世代最高峰の高円宮杯プレミアリーグEAST開幕戦で柏レイソルU-18から3点を奪い、日本高校選抜で遠征した欧州でもNAC(オランダ)戦で1試合3得点。これでFW転向が高校からという伸びしろも魅力だ。桐光学園(神奈川)のセレッソ大阪内定FW西川潤と令和元年の高体連NO・1を争う力があり、21世紀の01年生まれとしてはMF久保建英(FC東京)とも同い年。世代の中でも将来が期待されている。

鹿島の下部組織出身ということで、同クラブから日本のエースに育ったFW大迫勇也(ブレーメン)を参考にしている。固め打ちできる得点力に加え、ポストプレーも世代屈指の「ポスト半端ない」。その鹿島などが触手を伸ばす中、浦和も本腰を入れた。学校行事などが落ち着いた大型連休明けに、練習参加にこぎ着けた。染野は平成最後の4月30日に「令和はもっと飛躍できるように…!」とツイート。新時代の赤い悪魔になるか決断が注目される。

◆染野唯月(そめの・いつき)2001年(平13)9月12日、茨城県生まれ。鹿島つくばジュニアユースから尚志高。中学時代はボランチ。昨年度の全国高校選手権は5ゴールで得点王となりチームを3位に導く。U-17、18日本代表。日本高校選抜デュッセルドルフ国際(4月)ではボルシアMG戦で先制FKを決めた。ボールを収められ、空中戦も強い万能型。179センチ、68キロ。