3連敗中の浦和レッズと5連敗中のサンフレッチェ広島の対決は、大量4発の後者に軍配が上がった。

アウェーの広島が先手を取った。開始5分。左サイドを連係で破り、MF柏が左足クロス。浦和DF鈴木の頭に当たって右ポストに当たった後、はね返りにMF森島が右足を合わせてゴール左に打ち込んだ。両手を広げてベンチ前まで走りだし、サブ組と抱き合って大喜び。5連勝の後、一転して5連敗と苦しんでいるチームが幸先よく先制点を挙げた。

25分には2点目だ。左CKをファーサイドへ送り、FWドウグラス・ヴィエイラが頭でゲット。クリアしようとした浦和の日本代表DF槙野の背後から高い打点で合わせて追加点を奪った。

追う浦和には頼もしいサポーターが加わった。OBで、前日本代表主将のMF長谷部(フランクフルト)が来場。試合前にイベントやあいさつで盛り上げ「僕も全力で応援します。今日も勝ちましょう」と気合を入れていた。しかし、開始直後のFW武藤のワンタッチシュートが左ポストをたたくなど不運。相手の鋭い寄せにも苦戦して前半は無得点に終わった。

まだ5月ながら気温35度に迫り、前半40分すぎに給水タイムが設けられた消耗戦。浦和は後半開始と同時にMF森脇とMF宇賀神を交代した。さらに9分、MF長沢に代えてFWファブリシオを投入し、前線を2トップから1トップ2シャドー(1・5列目)として攻勢を強めた。

ところが、スコアを動かしたのは再び広島だった。後半18分、右サイドをスルーパスで抜け出した途中出場MFハイネルが左足シュート。1度はGK西川に阻まれたものの、こぼれ球を左足で押し込み、3点目を奪った。

もう止まらない。35分に4点目だ。攻め上がったボランチ川辺がゴールライン際からマイナスのパス。柏がスルーした奥でFW渡が右足を合わせ、ネットを揺らした。城福監督は両拳を握って満面の笑み。浦和のオリヴェイラ監督は凍りついた。

このまま試合終了。広島は、日本代表に初選出されたGK大迫、ボランチ松本らの堅実なプレーで完封。連敗を5で止めた。浦和は4連敗となり、21日のACL決勝トーナメント進出(対北京国安、3-0)の勢いを続けられなかった。