オズワルド・オリベイラ監督(68)との契約を解除した浦和レッズが29日、前ヘッドコーチの大槻毅新監督(46)の下、埼玉・大原サッカー場で再始動した。

イレブンに対する最初の訓示は「久しぶりに顔を見ました。そこで、この状況を我々は認識しないといけない。危機感を持たざるを得ない。心も、ざわついていると思う。ただ、その中でも落ち着いて次への準備をしよう。中に秘めているものを出してほしい。そう言いました」と呼びかけた。

6月1日の初陣、アウェー川崎フロンターレ戦(等々力)に向けた3日間の練習は、完全非公開にした。理由について「まずは集中させたかった。もう1つは相手に(戦術やメンバーを)分からせたくない。その2点です」と説明。3月8日に海外担当になり、現場から離れていたが「しっかりチームのことは見ていたので、足りない部分より、いい部分を伸ばしたい。みんな一生懸命やっている。情熱を持っている。やらなきゃいけない思いを持っている」。そこを前面に出させる方針を示した。

クラブは今季、06年以来のリーグ優勝と3度目のACL制覇という2冠を目標に掲げた。そこに関しては「クラブの目標は変わらない。そこに対して、どう取り組んでいくか」と変えない覚悟を示し「勝ち点を1試合で7も8も取れるわけではないので、積み上げていきたい」と話した。

ACLはベスト16に駒を進めたが、リーグ戦は11位に低迷している。特にホームで1勝1分け5敗と苦しんでいる中、0-4で惨敗した26日のサンフレッチェ広島戦の「後に話を受けました。クラブが危機感を持っているんだなと。悔しい思いをしているんだなと。そこで何か、僕の力でできるならということで、仕事を引き受けることにしました」と就任の経緯も口にした。

暫定監督だった昨季は、黒スーツやオールバックの髪形で「組長」「アウトレイジ」の愛称、風貌で親しまれた。人気が高かったスタイルについて、今季はどうするのか。その質問には“封印”を予告。「あの時は僕のことを選手が知らなかったので、何をやっても良かった。今、そんなことをやっても鼻で笑われるだけ。普段通りの準備をしたい」と、ジャージー姿など「キャラ変」してベンチに入る可能性を示唆した。

最後に、サポーターに向けて「いつも大きな愛で包んでいただいている。我々は努力しますので、ぜひ応援お願いします」と所信表明を締めくくった。今回は暫定ではなく正式契約。大槻レッズは世代交代にも着手する見通しで、まずはリーグ中断前に昨季王者の川崎Fにフレッシュに挑む。