横浜F・マリノスからヴィッセル神戸への移籍が決まったGK飯倉大樹(33)が後半途中から出場し、横浜サポーターに最後の勇姿をみせた。

後半30分に8人同時交代の1人としてピッチへ。サポーターから飯倉のチャントが鳴り響く中、先発したGK朴一圭らとハイタッチしながらゴールマウスへと向かい、約20分間プレーした。ウオーミングアップの段階から涙していた飯倉は試合後「もう号泣です。泣き疲れました」と切り出し「今日、スタジアムに入ってきた時点で泣いてました。苦しかったことや楽しかったことが走馬灯のようによみがえってきた。マリノスは本当にいいチームなので、離れるのが寂しいです」と話した。

試合後はサポーターへの最後のスピーチも行った。サポーターからは「仲間であり家族 飯倉大樹の帰りを待ってるぜ」と書かれた横断幕も掲出された。飯倉は「みんなの前でプレーして終わることは少ないのに、プレゼントのように送り出してくれて幸せでした」と感謝も口にした。

28日には神戸へと向かい、新天地での生活をスタートさせる。正守護神として期待される神戸では「横浜を離れてプレーする以上は全てを出そうと思います」と意気込み、横浜へは「今までやってきたベースに上積みして、常勝、そして優勝してほしい」とエールを送った。

飯倉は下部組織時代から横浜で育ち、05年のトップチーム昇格以来、06年の熊本(当時JFL)への期限付き移籍を除いて横浜で長くプレーしてきた。昨季まで2年連続でリーグ戦全試合出場を果たすなど守護神として君臨してきたが、今季は新加入のGK朴一圭の台頭もあり、リーグ戦出場5試合にとどまっていた。【松尾幸之介】