FC東京がFW永井謙佑(30)の2試合連続得点などで、3-0でセレッソ大阪に勝って首位をキープした。エース永井は後半2分に頭で先制弾。リーグ戦ここ5戦5発と文句なしの働きで首位の東京をけん引している。

0-0で折り返した後半開始とともに、東京がギアを最大にした。「(後半から)フルスロットルでいこうと」。そう語ったFW永井が決勝点を生んだ。始まってすぐの後半2分。左サイドからのMF東のクロスに、DF2人の間から飛び込んだ。高い打点でGKに競り勝ち、頭でねじ込んだ。「(東の)ステップの構えで、ここにくるなと」。あうんの呼吸だった。

これで波に乗ると、同23分にDF森重が今季初ゴール、後半ロスタイム2分にはFWディエゴ・オリヴェイラも決めて、終わってみれば完勝だった。「1点取ると勢いに乗るチーム。相手(の守り)が堅くても」と永井。先制点という“必勝パターン”へのスイッチを押した。

日が落ちても蒸し暑さに包まれたピッチ。我慢比べとなった前半こそ長谷川監督の作戦だった。「手綱を引いて(前に)行かせないようにしていた」と明かすように、猛然とプレスを繰り返すいつもの永井の姿はなかった。「状況を見ながらやるというのは初めてだった」。ボールを持たれる展開は想定内。前節までリーグ最少12失点の相手に、体力を温存し後半に畳み掛けることが「牙城を崩す準備」(長谷川監督)だった。永井は「監督の戦術勝ち」と笑った。

2位横浜F・マリノス、3位鹿島アントラーズがともに敗れ、再び差を広げた。長谷川監督の「まだまだ。自分たちで積み重ねていかないと」という言葉を体現するかのように突き進む、今夏の東京はひと味違う。【岡崎悠利】